柔軟な開発か品質の確保か? アジャイル開発を活かせない企業に必要な“テスト自動化×AI”のアプローチ
みずほリースが6割のテスト自動化に成功? 効率化と品質向上を両立する手立て
AIを活用した新たなモダナイゼーションの提案
Autifyが提供するノーコードのテスト自動化プラットフォームは、属人化したテストプロセスを標準化し、開発現場の負担を大幅に削減するという。実際に同社の製品を導入して大きな成果を上げた例として、内野氏はみずほリースの事例を紹介した。
みずほリースは、Autifyのテスト自動化プラットフォームを導入して3ヵ月で、従来手動で行っていたテストの約60%を自動化することに成功。「一般的にテストの自動化率は平均10~15%とされる中で、この数字は画期的だといえます」と内野氏は話す。
また同社では、SalesforceのCRMシステムの運用を内製化していたが、改修やバージョンアップのたびに膨大な量の手動テスト作業が発生し、属人化や品質のリスクを招いていたという。そこでAutifyのソリューションを導入し、スキルがさほど高くない要員でも自動テストを実行できる環境を整備したことで、テストの生産性を大きく向上できたとしている。
さらに、ある生命保険会社では、元々他社のテスト自動化ツールを利用してワークフローシステムのテストを行っていたところをAutifyにリプレース。その結果、利用開始から約半年でワークフローシステムの運用コストを約4分の1に削減することに成功したという。
この企業では、以前からテスト自動化に取り組んでいたものの、従来のツールは操作が難しく、ある程度のスキルがなければ使いこなせない点が課題だった。「そこで、誰でも使えるAutifyのノーコードツールを導入したことで、テストの負担と工数を大幅に削減できました」と内野氏は語る。
加えてこの事例では、Autifyが提供する「AIによる仕様書レビュー」と「テストケース自動生成機能」を活用した結果、手動でテストを行っていたときには見落とされていたテストケースがAIによって新たに発見されたのだ。その数は全テストケースの約20%に上ることから、Autifyがシステム全体の品質向上に大きく貢献したといえる。
“3つのAI導入フェーズ”と将来に向けたチャレンジ
Autifyでは、AIの活用を3つのフェーズに分けて整理しているという。第1フェーズは、業務の標準化。まずは業務の属人化を解消してその内容を可視化・標準化することで、AIが業務を学びやすい環境を整備する。
続く第2フェーズは、AIによる業務の部分的支援。この段階ではまだAIの活動範囲は限定されているが、よりAIが動きやすいように環境の整備を進める。これによって、AIは特定の業務領域で人間の作業を補助する役割を担い、徐々にその能力と適用範囲を拡大していく。
そして第3フェーズは、複数のAIエージェントが互いに連携しながら業務を自律的に処理していく世界だ。「一見すると夢のような世界に見えるかもしれませんが、その実現に向けた技術革新が猛スピードで進んでいます」と内野氏は強調する。実際、ガートナーのレポートでは、2028年までに15%のAIが自律的に意思決定を行い、エンタープライズソフトウェアの約3分の1がAIを統合すると予想されていることに触れた。
同氏はこうしたAIの進化を「“自動化”から“自律化”、そして“信頼”へと至るステップ」と表現する。単なる作業の自動化から、AIが自ら判断して業務を遂行する自律化へ、そしてその判断を人間が信頼できるレベルまで高めていくという段階的な進化が求められているという。
一方で、88%のAIプロジェクトがPoCの先に進めていないという厳しい現状もあわせて紹介された。多くの企業がAI導入に取り組んでいるものの、その大半はPoCで終わってしまい、実際の業務への適用までには至っていない。この限界を突破するために、Autifyでは「Autify Pro Service」というサービスを通じて、製品導入の支援と並行して顧客のAI導入も総合的にサポートしているという。
「競合他社がAIを活用して、ある日生産性を一気に何倍にも引き上げてくるようなことが現実に起こり得る時代です。場合によっては、DXの取り組みをいったん止めてでも、将来を見据えてAX(AI Transformation)を検討する必要が出てくるかもしれません。また自社特有の強みの源泉を次世代に継承していく上でも、AIの力は今後欠かせなくなってくるでしょう。その時には、きっと『AI×開発・テスト自動化』のソリューションが現実的な突破口となるはずです」(内野氏)
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EnterpriseZine編集部(エンタープライズジン ヘンシュウブ)
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