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東京ガスがITコストの「どんぶり勘定」を脱却できた理由──CIOが描く戦略的IT投資の次なるステージ

TBM Summit 25:Japanローンチイベント レポート Vol.2

IT資産の最適化・価値向上のためのデータベースが整った

 2025年に入ってスタートしたフェーズ3では、可視化したデータを活用した“分析・意思決定の支援”に本格的に着手した。

 「経営層と財務部門、事業部門、IT部門がそれぞれの立場と視点で、IT資産の最適化や価値向上を考えられる組織を目指しています。そのための土台として、可視化されたデータをデータベースとして活用できるようになりました。現状としては、社内でそれぞれの立場の人がデータベースを見るようになった、あるいは我々IT部門と一緒に見て議論を始めるようになった段階です」(遠藤氏)

 すでに出ている成果の1つに、ユニットコストによる“システム価値の評価”がある。たとえば顧客管理システムであれば、「ガスや電力などの契約1件当たりのITコストがいくらか」という指標で見る。もしくは、そのシステムを使っているユーザー1人当たりの金額を算出することも可能だ。これらのデータを、事業の売上や利益のユニット単位と比較することで、どの領域でITコストを抑制すべきか、あるいは追加投資すべきかを明確にできる。

 また、共通費の配分により、システムの真のコスト構造も可視化された。「あるシステムでは、共通費の配分コストの割合が非常に高いことがわかった。さらに、当社における他の事業に比べて、かなりITコスト比率が高いということも判明した」と遠藤氏は語った。加えて、利益に対するITコストの比率を事業別に見てみると、事業によって差が見られた。一部の新規事業では、ITコストの高いものもあることが判明したという。

 Apptioが提供するプラットフォームには、自社のデータを業界データと比較できる機能も備わっている。東京ガスの場合、業界内でベンチマークを比較するとアプリケーションのコストがかなり高いことがわかったという。これには、「開発の件数が多かったり、パッケージをカスタマイズし過ぎたりといったことが影響しているのでは」と遠藤氏は分析した。

基盤が整って視えてきた、新たなステージと可能性

 さらに将来を見据えた取り組みも進んでいる。同氏は、「IT投資計画から維持管理や減価償却の見通しを算出して、財務インパクトを予測する取り組みを財務部門とともに推進している。数年にわたるIT投資のロードマップを策定し、結果的に維持管理や減価償却の費用を把握できるようになる」と明かした。

 今後の高度化に向けて、遠藤氏は2つの方向性を示した。1つ目は、データ分類や集計作業における自動化率の向上だ。現段階でも、以前は手作業やExcelだったデータの分類・集計が、標準のフォームに当て込むことでかなり効率化されたと感じているようだが、自動化の割合はもっと増やしていきたいとのことだ。

 「IBMと協力してwatsonx(ワトソン)を利用した効率化を検討した結果、90%程度の作業を自動化できることがわかりました。精度もさらに上げられる見通しのため、費用が合理的だと判断できれば実用化していきたいです」(遠藤氏)

 2つ目に同氏が掲げたのは、AIを活用したIT投資最適化の提案システムを構築することだ。Apptioの導入によってITコストに関する洗練されたデータベースが出来上がったため、これをベースにAIが将来のIT投資を提案する仕組みを構築したいのだという。

 「我々もまだ改革の初期段階におり、『企業価値を高めた』という成果までは至っていません。しかし、これまで見えなかったITコストが可視化され、データに基づいた戦略的な意思決定が可能な基盤が整いました。今後はこの基盤を活用して、真の企業価値向上を実現していきたいです」(遠藤氏)

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この記事の著者

森 英信(モリ ヒデノブ)

就職情報誌やMac雑誌の編集業務、モバイルコンテンツ制作会社勤務を経て、2005年に編集プロダクション業務とWebシステム開発事業を展開する会社・アンジーを創業した。編集プロダクション業務では、日本語と英語でのテック関連事例や海外スタートアップのインタビュー、イベントレポートなどの企画・取材・執筆・...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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