New Relicは、楽天銀行が、銀行業務を支える基幹システムの観測にオブザーバビリティプラットフォーム「New Relic」を導入したと発表した。
同行では、預金、送金などの機能を担う基幹システムやローン、カード決済などの決済まわりの重要システムは、計画的な停止であっても、24時間365日の無停止運用を原則としているという。そのため、基幹システムの可用性をさらに高めるにあたり、オブザーバビリティプラットフォームの導入を決定。2022年にNew Relicを導入し、基幹システムの観測を開始したという。
その後、基幹システムの基盤を「Red Hat OpenShift」上に構成されるコンテナプラットフォームへと移行させ、新たな基幹システムとして運用を開始。システム機能のコンテナ化を段階的に進めているが、その観測にもNew Relicを活用しているという。システムの定期メンテナンスは月1回の頻度で行われており、メンテナンスがシステム全体にどのような影響を及ぼしているかも、New Relicのダッシュボードを活用してチェックしているとのことだ。その結果として、システムレスポンスの低下など、何らかの問題が認められた場合には、システムをメンテナンス前の状態に戻し、障害を未然に回避するといった措置をとっているという。このような運用スタイルは、New Relicの導入によって実現されたものだとしている。
また、楽天銀行の基幹システムでは、毎月、特定の日に膨大なトランザクションが発生するが、従来は複数の技術者がシステムに張り付いて監視を行うのが通常だったという。New Relicの導入以降は、同製品の扱いに慣れた少数の技術者による監視で済むようになったとしている。
今後は、基幹システムだけでなく、ほかのシステムにもNew Relicを適用する計画を進めており、テスト時のパフォーマンス計測やエラー箇所の特定などの開発のプロセスにもNew Relicによる観測を組み込む予定だという。これにより、コンテナを使用した開発のスピードやシステムの機能的な拡張性を確保しながら、可用性を高いレベルで確保することが可能になるとのことだ。
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EnterpriseZine編集部(エンタープライズジン ヘンシュウブ)
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