SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

  • Security Online
  • DB Online
  • ニュース
  • 新着記事一覧
  • イベント

    EnterpriseZine Special Webinar powered by HENNGE
    2025年8月25日(月) オンライン開催

    Security Online Day 2025 秋の陣
    2025年9月4日 (木) ~ 5日 (金) オンライン開催

    • 酒井真弓の『Enterprise IT Women』訪問記

      酒井真弓の『Enterprise IT Women』訪問記

    • IT部門から“組織変革”を~気鋭のトップランナーを訪ねる~

      IT部門から“組織変革”を~気鋭のトップランナーを訪ねる~

    • SaaS ERP最前線──適者生存の市場を勝ち抜く企業はどこに

      SaaS ERP最前線──適者生存の市場を勝ち抜く企業はどこに

  • ブログ

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けに、EnterpriseZine Day、Security Online Day、DataTechという、3つのイベントを開催しております。それぞれ編集部独自の切り口で、業界トレンドや最新事例を網羅。最新の動向を知ることができる場として、好評を得ています。

最新イベントはこちら!

EnterpriseZine Special Webinar powered by HENNGE

2025年8月25日(月) オンライン開催

Security Online Day 2025 秋の陣

2025年9月4日 (木) ~ 5日 (金) オンライン開催

Enterprise IT Women's Forum 2025 KANSAI

2025年9月2日(火)大阪開催

EnterpriseZine(エンタープライズジン)

EnterpriseZine編集部が最旬ITトピックの深層に迫る。ここでしか読めない、エンタープライズITの最新トピックをお届けします。

『EnterpriseZine Press』

2025年春号(EnterpriseZine Press 2025 Spring)特集「デジタル変革に待ったなし、地銀の生存競争──2025年の崖を回避するためのトリガーは」

Security Online Press

セキュリティ界の先駆者ニコ・ヴァン・ソメレン氏が語る、新時代に必要な「復旧能力」とセキュリティ統制

nCipher設立やLinux財団のCTOを経て、なぜAbsoluteを選んだのか?

AIの魅力が“シャドーIT”の過ちを再び顕在化させる

──「個々のエンドポイントやアプリケーションでセキュリティ統制を図る」と聞いて真っ先に頭の中に浮かんだのは、“シャドーIT”の問題です。

ソメレン氏:これも昔から顕在化していながら、なかなか解決していない課題ですね。従業員が自分のWi-Fiアクセスポイントや安価なIoTデバイスを勝手に企業ネットワークに接続してしまうなど、常にリスクの源でした。

 特に、昨今新たな問題となっているのは「シャドーAI」です。大手クラウドサービスが提供するAIツールが使われ始めたばかりの頃は、質問と回答のラリー程度でしたが、間もなく文書を渡せばキレイに要約してくれるようになりました。そこから一気に個人による業務でのAI活用が加速しましたよね。

 ある程度名が知られていて、適切なライセンス契約を持つ評判の良い商用サービスであれば問題なさそうに思えるかもしれません。しかし、誰がどんなAIツールをどれほど使っているのか把握できていない状況は、ガバナンスの観点では大きな問題です。また、信頼できない海外サーバーで動作しているようなAIサービスに、企業の重要な文書などをアップロードしてしまうことの危険性は、多くの企業が認知しているはずです。

 シャドーITの問題は皆さん以前から知っているはずなのですが、AIがあまりにも魅力的なツールであるために、多くのユーザーがシャドーITで学んだことを忘れてしまい、無料で利用できるAIサービスに企業文書をアップロードしてしまっています。

──それを防ぐために、多くの企業がAIの利用に関するガイドラインやポリシーの策定を急いでいます。しかし、すべての従業員がルールに従うとは限りませんよね。隠れて許可されていないAIツールを使う人がいるかもしれません。何か便利な技術でこれを統制できれば、もっと強制力も増しそうなのですが……。

ソメレン氏:従業員にポリシーとリスクの重要性を啓発することは大前提として、彼ら彼女らが従わなかった場合にそれを検出し、防止するツールも利用すべきだと思います。

 たとえば、Absoluteはセキュアサービスエッジネットワーク(SSE)のソリューションも提供しており、これを利用することでマシンに出入りするトラフィックを監視できます。未承認のAIを使用しているユーザーを検知して報告し、ブロックすることが可能です。

 加えて、単にそういったツールを導入するだけでなく、なぜその対策が重要なのかも従業員に説明して理解してもらうべきでしょう。小さな子供に「ストーブに触らないで」と言っても、なぜか触りますよね。それは、なぜ触ってはいけないのかを十分に説明できていないからです。「やけどしてとても痛い目に遭うから、ストーブに触っちゃダメ」と言えば、触る可能性は低くなります。新しいテクノロジーやルールを導入する際も同様で、単に「やらないで」と言うのではなく、「なぜやってはいけないのか」を施策としてしっかり浸透させなければいけません。

古いマシンやOSに注意、パッチサイクルの遅れが命取りに

──このインタビューの前に、Absoluteの調査データ(※)で企業ユーザーにおけるパッチサイクルの平均時間が悪化しているという情報を耳にしました。

※Absolute Software『Resilience Risk Index 2025』より

ソメレン氏:業界や企業によって差異はあるでしょうが、2024年から2025年にかけて、Windows 10でパッチ対応が遅くなっている傾向が見られます。

──なぜでしょうか。

ソメレン氏おそらく、忘れられているマシンが増えているのでしょう。Windows 10を実行している古いマシンはまだたくさんあるかと思いますが、Windows 11が登場してそちらにシフトするうちに、古いマシンにもパッチ対応が必要であることが忘れられているケースが案外多いのです。

──まだ意図的にWindows 11へアップグレードしていないというユーザーも多そうですよね。

ソメレン氏:そうですね、アップグレードによって何か不具合やトラブルが起こるかもしれないという不安は常に付きまといますし、気持ちもわかります。長年動作しているマシンなら尚更でしょう。特に製造業で、機械の動作を制御するような組み込みシステムなどでは、何かあった際にマシンへアクセスすることが物理的に困難です。リモートでアップデートを配信できても、失敗や不具合が発生したら人が道具を持ってハシゴを登り、マシンの場所までたどり着かなければ……なんてことも珍しくありません。

 ただいずれにせよ、どんなOSやマシンであれパッチ適用をこれまで以上に迅速化させなければいけないという点は押さえておくべきです。パッチ適用の遅れは間違いなく「脆弱性」であり、攻撃者が脆弱性を悪用するスピードはかつてないほどに高速化しているということを、改めて申し上げておきます。

次のページ
マシンの25%はセキュリティソフトが正常に機能していない?

この記事は参考になりましたか?


  • Facebook
  • X
  • Pocket
  • note
Security Online Press連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

森 英信(モリ ヒデノブ)

就職情報誌やMac雑誌の編集業務、モバイルコンテンツ制作会社勤務を経て、2005年に編集プロダクション業務とWebシステム開発事業を展開する会社・アンジーを創業した。編集プロダクション業務では、日本語と英語でのテック関連事例や海外スタートアップのインタビュー、イベントレポートなどの企画・取材・執筆・...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

名須川 楓太(編集部)(ナスカワ フウタ)

サイバーセキュリティ、AI、データ関連技術やルールメイキング動向のほか、それらを活用した業務・ビジネスモデル変革に携わる方に向けた情報を発信します。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

EnterpriseZine(エンタープライズジン)
https://enterprisezine.jp/article/detail/22438 2025/08/06 08:00

Job Board

AD

おすすめ

アクセスランキング

アクセスランキング

イベント

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けに、EnterpriseZine Day、Security Online Day、DataTechという、3つのイベントを開催しております。それぞれ編集部独自の切り口で、業界トレンドや最新事例を網羅。最新の動向を知ることができる場として、好評を得ています。

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング