ASUS JAPANは6月17日、「ASUS Summit 2026」をベルサール渋谷ガーデンで開催し、法人向けノートPC「ASUS ExpertBookシリーズ」の最新フラッグシップモデルを発表した。
冒頭、ASUSTeK Computer 会長のJonney Shih氏が登壇。同氏は、日本を最も重要な戦略的市場の一つと位置付け、「機能と信頼性を重んじる日本の顧客に認められることが同社製品の信頼性の証明である」と述べる。AI時代へ移行する過渡期の現在、同社はPC/サーバー/IoTにわたるAI技術を開発しており、「AI/品質/信頼」の3つの柱を軸に、日本のビジネスパーソンに信頼されるパートナーになると決意を示した。
続いて登壇したASUS JAPAN 代表取締役社長のAlvin Chen氏は、同社のコンシューマー向けノートPC市場における販売台数と売上高が2024年以降に競合大手を上回る実績を挙げたことに言及し、「この規模の優位性がコマーシャル市場でも強力な基盤になる」と説明した。日本国内の法人向けビジネスにおいては、2020年の参入以降、教育市場でシェアを23.5%に拡大して第2位のブランドに浮上し、公的機関向けにおいても12%のシェアを獲得して第3位に位置している。
Chen氏は「法人市場において成功を収めるためには、単一のハードウェア製品を提供するだけでは不十分で、企業ITエコシステムを支える包括的なソリューションが不可欠だ」と指摘し、今後は法人市場への投資を加速させることを強調する。また製品品質へのこだわりとして、日本国内での全数追加検品体制や365日対応のサポート体制を敷いていることをアピールした。
続いて同社のPam Ho氏が、「ASUS ExpertBookシリーズ」の最新ラインアップを紹介した。同シリーズは、個人事業主や小規模法人向けのPシリーズと、企業への大規模導入に最適化されたBシリーズの2軸で展開される。さらに、プレミアム製品群からベーシックな製品群まで、用途と予算に応じた幅広い構成が用意されている。
今回新たに発表された最新の法人向けノートPC「ASUS ExpertBook Ultra」は、Intelの最新プロセッサーを搭載し、MicrosoftのCopilot+ PC要件に準拠。高度な冷却システムを採用することで、高い処理能力を発揮しながらも静音性を確保しているという。
筐体の重量は約990gという薄型軽量デザインでありながら、マグネシウム・アルミニウム合金を採用し、米軍規格に基づくテストをクリアしている。最大26時間の長時間バッテリー駆動や、可動部をもたないハプティックタッチパッドの採用、企業の環境サステナビリティ情報を可視化する「デジタル製品パスポート」への対応など、現代のビジネスPCに求められる要素を網羅していることを強調した。
続いて、販売パートナーの提案活動を支援するプラットフォーム「ASUSパートナーアライアンス」も紹介された。ASUS JAPANの岡林隆樹氏は、同プラットフォームについて「営業プロセスにおける初回アプローチ/商談/アフターフォローの3つのフェーズをシームレスに支援する」と説明する。
具体的には、Web上で案件登録が行えるほか、OSや筐体グレードなどの条件から最適な製品を検索し、リアルタイムに近い在庫状況を確認できるという。また、提案活動に役立つドキュメント類、マニュアル、総合カタログに加え、競合比較や製品の仕様が詳細に網羅された100ページを超える「セールスキット」も提供しているとした。
続いて登壇した同社の西康宏氏は、法人向けPCの導入・運用をサポートするソリューションについて紹介した。プリセールス段階でのスペックカスタマイズやサンプル機の提供に始まり、デプロイメント(展開)フェーズでは、Windows PC向けの独自カスタムイメージ作成サービス「Image Maker」や、出荷前オリジナル資産ラベルの無料貼り付けサービスが提供されている。これにより、従来リセラーやSIerが工場出荷後に行っていたキッティング作業の手間とコストを大幅に削減できるという。さらに、初期設定を自動化する「Windows Autopilot」やGoogleのゼロタッチ登録のサポート体制も整えているとした。
納品後の運用管理フェーズでは、ワンクリックでPCの各コンポーネントを自動診断できるハードウェア診断ツールがWindowsとChromebookの両環境に用意されており、IT管理者のトラブルシューティングを効率化するという。また、OSが起動しなくなった場合でもBIOSなどから再インストールが可能な機能や、Microsoft Intuneと連携して一括でBIOSやドライバーの更新を提供できる「ASUS Config Manager for Intune」といったツール群が紹介された。西氏は「導入から運用管理までASUSが一貫したサポートを提供することで、企業のライフサイクル全体に貢献できる」と述べる。
発表会の後半には、データセンターやエッジ領域における同社のAIインフラストラクチャ戦略も発表された。登壇したASUS JAPANの王慶濤氏は、AI市場の拡大によって高性能GPUに必要な高帯域メモリ(HBM)の生産が集中し、標準的なメモリやSSDの供給が世界的に圧迫されている課題を指摘する。
こうした需要の加速と供給不足に対し、ASUSはNVIDIAをはじめとした主要なチップベンダーとの信頼関係を通じて最新のチップを製品化し、安定した供給能力を維持していると述べる。また、同社が単なるハードウェアの提供にとどまらず、液冷システムやエアフローの最適化、ネットワーク効率の改善から管理ソフトウェアにいたるまで、一貫したコンサルティングと一気通貫のソリューションを提供することを強調した。
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