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井無田仲と探る「変革のフロントライン」

スズキ 鵜飼芳広×テックタッチ 井無田仲──グローバル企業が「中小企業型経営」で現場を動かす

“まずやってみる”を貫く、スズキの現場主義DX

生成AIを恐れない──93歳の相談役が示した“まず試す”という哲学

井無田:社内での生成AI活用についても、非常に素早い意思決定をされたと伺っています。経営層も含め、どのように展開されたのか教えてください。

鵜飼:本格的に全社で生成AIを使い始めたのは、2023年3月21日のことです。最初から細かいポリシーで縛るのではなく、スピードを優先し、AIが出力する内容を自分の目で確かめ、「現場・現物・現実」の三現主義に照らして判断するようにと全社員に伝えました。社員が前向きに活用できるよう、 “ガードレール”を整えることで、まず使ってみることを後押ししたのです。

 私がこの方針を役員会議で提案した際も、スムーズに承認されましたね。

井無田:その進め方も御社の三現主義に則っていたというわけですね。社内にはスムーズに浸透したのでしょうか。

鵜飼:はい。現在、社員約1万2500名のうち7割は日常的に生成AIを業務で活用しており、1人あたり月平均60回以上使っています。コンプライアンス上の問題もなく、現場での定着が進んでいます。

 ここまで広がった背景を振り返ると、社長・会長として長らくスズキをけん引してきた、当時93歳の鈴木修相談役(2024年逝去)の存在も大きかったと思います。役員向けのAI活用研修に「自分も参加したい」と申し出があり、研修中に「生成AIは指示の出し方が重要。人も同じ」とメモを残したんですね。

 93歳にしてなお、“まず使ってみる”という姿勢を貫く──まさにスズキが大切にしてきた現場主義を、相談役自身が最後まで体現された瞬間だったと思います。社内報でその様子を伝えたところ、「相談役までAIを学んでいるのだから、自分たちも」という空気が社内全体に広がるきっかけとなりました。

井無田:すごい。胸を打たれました。経営層が自ら学び続ける姿を見せることが、社員の成長意欲を刺激する一番の方法ですね。

DXにおけるROIの捉え方は「細かな効果検証よりも、やりながら考える」

井無田:生成AIを含むDXのROIをどのように捉えていらっしゃいますか。

テックタッチ株式会社 代表取締役CEO 井無田仲氏
テックタッチ株式会社 代表取締役CEO 井無田仲氏

鵜飼: 先ほども話した通り、やはりDXの効果を明確に数値化することは難しい。生成AIを使えば議事録や資料作成の工数は減りますが、「何分短縮できたか」を正確に測ることは現実的ではありません。おおよその換算でROIを試算しています。

 外部のコンサルティングを入れて、整然とDX戦略を作り上げてから実行に移すというやり方もあると思います。ただ、「中小企業型経営」を謳うスズキには完璧な設計図よりも「まずはやってみる」「やりながら考える」スタイルが合っている。生成AIに関しては、ある程度手を動かしてみたので、今は出てきた課題を整理している段階です。

井無田:アジャイルな組織ですね。そのほうが現場にも納得感がありますし、瞬発力もある。スピードを優先し、合意形成は走りながら整えていくんですね。

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現場・現物・現実の追求×テクノロジーこそスズキ流DX

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この記事の著者

井無田 仲(イムタ ナカ)

テックタッチ株式会社 代表取締役慶應義塾大学法学部、コロンビア大学MBA卒
2003年から2011年までドイツ証券、新生銀行にて企業の資金調達/M&A助言業務に従事後、ユナイテッド社で事業責任者、米国子会社代表などを歴任し大規模サービスの開発・グロースなどを手がける。「ITリテラシーがいらなくなる...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

中釜 由起子(ナカガマ ユキコ)

テックタッチ株式会社 Head of PR中央大学法学部卒。2005年から2019年まで朝日新聞社で記者・新規事業担当、「telling,」創刊編集長などを務める。株式会社ジーニーで広報・ブランディング・マーケティング等の責任者を経て2023年にテックタッチへ。日本のDX推進をアシストするシステム利...

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