Salesforceは、「Agentforce for Manufacturing」を発表した。
Agentforce for Manufacturingは、Manufacturing CloudやField ServiceなどのSalesforceアプリケーションにエージェンティックAIを導入し、顧客データと外部ナレッジを活用して複雑なプロセスを自動化するもの。Agentforce for Manufacturingにより、OEMメーカーから工業用化学製品メーカーまで様々な組織が業界固有のデータ、アプリケーション、プロセスを理解するAIエージェントを導入できるとしている。
Agentforceは、質問への回答や需要の予測的分析、リアルタイムの問題解決など、チームのスマートな業務支援を実現。Data CloudとAtlas推論エンジンを基盤として、ERP、現場のナレッジ、アセットIoTシステム、さらにはWebサイトからもライブデータを取得し、AIエージェントがアクションを実行し、自然言語で対応するとのことだ。
Agentforce for Manufacturingを活用することで、組織は業界に特化して設計された、AIエージェントのジョブ(AIエージェントの役割)と実行可能なタスク(AIエージェントが実行できる作業)を事前に作成したAIエージェントのテンプレートですぐに利用できるという。これらのトピックとアクションは、従業員や部門、組織プロセスごとに展開および適応でき、開発時間を短縮し、製造業の従業員の生産性を向上させるとしている。提供開始された新しい事前作成済みのAIエージェントのテンプレート(Agentforce for Manufacturingの一部として提供)により、製造業者は次の内容が可能となるとのことだ。
- 生産量を消費者の需要に合わせる:計画と実際の製品販売に基づいて、製造計画の著しい乖離を監視し、販売および運用担当者に警告するデジタル労働力を提供。これらの乖離に基づいて、AIエージェントはアカウントチーム向けの提案事項を含む現場訪問のスケジュールを自動的に設定し、生産の整合性とリソースの配分改善を支援するという
- 在庫管理を簡素化し、アップセル商談を特定:営業およびサービス担当者が顧客と会話しながら、デジタル労働力を利用して在庫を検索できるとしている。Agentforceは、顧客のニーズに応じて、販売代理店の各拠点に在庫の補充を自動的に依頼することも可能。これにより、企業は推奨されたアクセサリーをアップセルまたはクロスセルしたり、販売不振の在庫の売上をリアルタイムで改善したりすることができるとしている
- インセンティブプログラムの管理を改善:製品チームやリベートプログラム管理者に、プログラムの実績、支払い、最終的な収益に関する明確なインサイトとフィードバックを提供するデジタル労働力を提供し、インセンティブプログラムの管理を改善するという。これにより、チャネル販売チームは、実績の低いインセンティブプログラムを特定し、利益の大幅な改善につながるインセンティブに注力できるとのことだ
- アセットのダウンタイムと技術者の管理負担を削減:サービス担当者や車両管理者は、メンテナンスが必要な資産の問題をプロアクティブに特定することや、修理見積書の作成、作業指示の作成、メンテナンスの見積もりを含むメールサマリーの作成などの対応を行うデジタル労働力のサポートを受けられるという。これにより、AIエージェントは時間のかかる管理業務を自動化しながら、問題が発生する前に顧客やサービスチームに警告を発し、車両やアセットが稼働停止になることを防ぎ、予想収益の低下を防げるとしている
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EnterpriseZine編集部(エンタープライズジン ヘンシュウブ)
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