住信SBIネット銀行は、2028年初頭をめどに、日本アイ・ビー・エム(以下、日本IBM)が提供するオープン系勘定系システム「NEFSS(Next Evolution in Financial Services Systems)」を新アーキテクチャに進化させ、アマゾン ウェブ サービス(以下、AWS)のクラウド環境に全面移行すると発表した。

NEFSSは、住信SBIネット銀行のインターネットバンキングの中核を担う勘定系システムとして、長年にわたり稼働してきたという。今回の取り組みにより、将来的なスケーラビリティを見据え進化させたデジタルバンク向け次世代クラウド勘定系アーキテクチャーに移行することで、3000万口座以上のデータボリュームに対応可能となり、さらにその後の事業成長にも柔軟に対応できる設計が実現されるとのことだ。
また、運用コストは約30%削減できる見込みであり、安定性・可用性・拡張性・効率性の向上により、開発・運用のスピードと柔軟性を確保できるという。なお、新アーキテクチャによる勘定系システムをAWS上で稼働させるのは、国内初(住信SBIネット銀行および日本IBMによる国内事例調査による)の取り組みだとしている。
クラウド環境については、社内での導入実績からAWSを採用したという。既に運用中のAWSアジアパシフィック(東京)リージョン、およびアジアパシフィック(大阪)リージョンの東阪マルチリージョンにより冗長化された環境に、今回の勘定系システムが加わることで、同社の主要システムすべてがAWSクラウド環境へと移行するとのことだ。これにより、システム処理の効率化・俊敏性の向上に加え、障害発生時の迅速な切り替えや災害時の業務継続など、一層のレジリエンシーの向上を実現するという。顧客に対しては、よりセキュアで安定したサービスを継続的に利用できる環境を強化するとした。
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EnterpriseZine編集部(エンタープライズジン ヘンシュウブ)
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