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グローバルに先駆けた「神戸医療DXモデル」構築へ──神戸大とAWSが教育・研究・医療分野で協業

 神戸大学大学院医学研究科、神戸大学医学部附属病院(以下、神戸大学)とアマゾン ウェブ サービス ジャパン(AWSジャパン)は10月2日、日本で加速する超高齢社会・過疎化の解決に向け、教育・研究・医療分野における包括連携協定を締結した。

(左から)神戸大学大学院医学研究科医科学専攻生化学・分子生物学講座細胞医科学分野 教授 宮西正憲氏
アマゾン ウェブ サービス ジャパン合同会社 常務執行役員 パブリックセクター 統括本部長 宇佐見潮氏
神戸大学大学院医学研究科長 村上卓道氏
神戸大学医学部附属病院長 黒田良祐氏

 同日に開催された記者発表会では、神戸大学大学院医学研究科長 村上卓道氏が登壇し、今回の協業の目的を一言で表すと「研究成果を論文にとどめず、社会に届く価値にすること」だと説明する。「医学研究科では、大学で生まれた“知”を現場に届け、現場の課題を研究に戻す、この循環を重視している。AWSと協業することで、クラウド基盤を活用してこれらの研究成果を安全かつ迅速に社会に還元する道筋を整えることができる」と期待を寄せた。

神戸大学大学院医学研究科長 村上卓道氏

 神戸大学医学部附属病院長 黒田良祐氏は、大学病院をはじめとした医療現場で最も深刻な問題は「人の時間」だとして、大きく以下4つの課題を挙げる。

  • アクセス負荷:通院が困難な患者の増加/救急外来への集中による混雑/診療待ち時間の長期化など
  • 非医療業務の肥大:医療業務ではないカルテへの記録や搬送などの工数増加/事務処理の重複/システム間の連携不備による業務の煩雑化など
  • データ分断:院内システムの孤立/地域医療機関との情報未連携など
  • 時間の削減:患者との対話時間の減少/職員の疲弊増大など
神戸大学医学部附属病院長 黒田良祐氏

 まずはこれらの課題を可視化し、改善の成果を測る環境を整えるとしている。「人がやるべき医療に人が集中できるように医療を作り替えること」を目的として、患者中心の「スマートホスピタル経営ビジョン」のもと取り組みを進めるとした。

 スマートホスピタル経営ビジョンとは、同院のコンセプトである「やさしくて賢い病院」の実現に向け、自動化と最適化により患者と向き合う時間を創出するための経営ビジョン。DX推進によって持続可能な医療経営モデルを構築し、地域医療に貢献するという。重点領域は以下の4つだとしている。

  1. 患者体験のシームレス化
  2. デジタル技術で業務効率化
  3. データ連携とセキュリティ強化
  4. 地域共生型医療モデルの確立

 続いて、アマゾン ウェブ サービス ジャパン 常務執行役員 パブリックセクター 統括本部長 宇佐見潮氏が登壇し、今回の連携の概要を説明した。

アマゾン ウェブ サービス ジャパン合同会社 常務執行役員 パブリックセクター 統括本部長 宇佐見潮氏

 宇佐見氏は「神戸大学が行ってきた先進的な研究・教育と、AWSのもつクラウド技術を連携させることで、次世代医療サービスの実現とそれを担う人材育成を推進するべく、今回の協業に至った」と背景を説明。両者は、クラウドとAIを基盤とした次世代医療プラットフォーム「医療MaaS」の構築を通じて、包括的な医療イノベーションを実現する「神戸医療DXモデル」を実現するとした。

 宇佐見氏は、同協業の特徴的な取り組みとして以下6つを提示する。

  1. 医療DXの推進:クラウドと自動運転で患者の通院移動をシームレス化
  2. スポーツメディカルイノベーションの推進:アスリートの医療データをAIで分析し、パフォーマンス向上と怪我予防を実現
  3. 高度な研究基盤の構築:大量の研究データを安全に管理・共有し、AIによる業務効率化を実現
  4. 医学教育のデジタル転換:グローバルな研究データプラットフォームで世界規模の医学研究を推進
  5. 地域医療連携の強化:地域医療機関のデータ連携で救急医療と地域包括ケアを効率化
  6. メディカル・アントレプレナーシップの育成:医療系スタートアップを支援し、新たな医療産業の創出基盤を構築
クリックすると拡大します

 続いて、神戸大学大学院医学研究科医科学専攻生化学・分子生物学講座細胞医科学分野 教授 宮西正憲氏は、同院独自のコンセプトである「医療MaaS」について詳細を紹介した。

神戸大学大学院医学研究科医科学専攻生化学・分子生物学講座細胞医科学分野 教授 宮西正憲氏

 宮西氏は「一般的にMaaSと聞くと、交通機関を一つにまとめた移動サービスをイメージする方が多いが、我々の掲げている『医療MaaS』はまったく別の概念」だと述べる。「医療を構成する要素は“人・モノ・データ”の3つで、これらは人に紐づいた形で個々に移動する。その情報を安全かつ統合的に循環させる仕組みが医療MaaSだ」とした。交通だけではなく、検体・薬・データも安全に往復し、必要な時に必要な支援が届く仕組みを構築することの必要性に触れる。

 宮西氏は「医療MaaSで生じる複雑な情報の動きは、AWSが展開してきたeコマースの仕組みに近しいものと考えている。“場所”から“データ”へと医療の中心を移行させることで、患者一人ひとりに寄り添った医療を提供できる」と説明した。

クリックすると拡大します

 患者に信頼してもらえる医療基盤を構築するために「AWSとの協業ではセキュリティと透明性を最優先に考える」として、病院で得られたデータや知見を教育、研究、地域に還元し、現場に戻す基盤である「医療データプラットフォーム」を構築していくと述べた。

 この壮大な構想を進めるための具体的な取り組みとして、宮西氏は現在進めている以下3つのプロジェクトを紹介した。

  1. AMED AIMGAINプロジェクトとの連携:臨床の問い→仮説→試作→検証のサイクルで安全に学び、次世代治療を開発
  2. スポーツ連携データによる新たな価値創造:負荷・回復の知見を予防医療へ翻訳し、日常の健康管理に還流
  3. 神戸市、兵庫県移動・生活基盤連携:自宅診療在宅の体験線を整流化し、シームレスな医療体験を実現

 最後に同氏は、次世代のグローバル人材育成について言及し、「医療MaaSを持続的に実現していくためには、自ら課題を発見し解決に向けて主体的に行動できる人材が欠かせない。少子高齢化によって人材が限られる状況であっても、挑戦の増やせる仕組みを社会で整えることが我々大人のミッション。このような環境の整備をAWSとともに実現していきたい」として、説明を締めくくった。

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竹村 美沙希(編集部)(タケムラ ミサキ)

株式会社翔泳社 EnterpriseZine編集部

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