AuroraからTiDBへテンポよく移行 本番移行後のトラブルも“スケール対応”で乗り越えて刷新
6年目を迎える人気音楽ゲーム コストと運用管理の手間から解放されるまでの軌跡
コスト削減と運用自動化を実現 TiDBが「デフォルトDB」となる未来予想図
オルトプラスではTiDBへの移行プロジェクトを経て、最大の目的であったコスト削減と運用負荷の軽減を無事達成している。2月から10月までの8ヵ月の期間において、約30%のコスト削減につながった。
特にソーシャルゲームのトラフィックには波があるため、TiDBの柔軟なスケーリング機能を利用し、ピーク時には十分なリソースを利用しつつ、利用が少ない時間帯にコストを抑える運用が効果を発揮しているとする。
また、運用負荷も大幅に軽減された。TiDB Cloudのマネージドサービスとしての利便性に加え、TiDB Cloud API(v1 Beta)を活用することで、コンソールを介さずにクラスターのスケーリング操作をコード(Python)で実行する自動化も実現した。
現在は、アクティブユーザーの流入にあわせてスケールアウトし、その後スケールインするような運用をスケジューラーで自動実行している。これにより運用負荷は軽減され、運用コストの面では「現在考え得る理想に近い状態」にあると浦谷氏。シャーディング管理の手間がなくなったことも、運用の効率化に大きく貢献しているとして、この移行プロジェクトは、コスト削減と運用負荷の軽減の両面での成功事例であると位置づけた。
今回の成功事例を踏まえ、オルトプラスはTiDBをデフォルトのデータベースとして運用していく方針だ。他のゲームタイトルに適用可能なものがあれば、積極的に活用していくとする。
また、TiDBへの移行を牽引した浦谷氏は、TiDBの導入事例や魅力を積極的に発信し、イベント登壇やエンジニアブログなどを通じて、TiDBユーザーグループ(TiUG)などコミュニティの拡大にも貢献していく考えだ。グローバルで展開されているTiDBチャンピオンプログラムへの貢献も視野に入れ、TiDBの発展に寄与したいという。
今回のTiDBへの移行は、コスト削減と運用負荷軽減というビジネス的な目的から始まりつつ、Amazon Auroraのシャーディングにおける構造的な課題をTiDBのアーキテクチャで根本的に解決した好事例だ。
移行直後のトラブル対応では、TiDBの柔軟なスケーラビリティがサービス継続に直結することを実証し、さらにPingCAPの迅速なサポートが運用の安心感を支える重要な要素であることを再認識させた。同社のデフォルトのデータベースとして、今後のサービス継続性と拡張性を支えていくことがTiDBには期待される。

株式会社オルトプラスは、スマートフォン向けソーシャルゲームの企画・開発・運用を主軸に、ITサービスの開発・運営支援も手掛ける企業。代表的なゲームタイトルに新感覚カジュアル将棋パズルゲーム「Everybody Shogi(えぶりばでぃ将棋)」、戦略的なバトルが特徴のスマートフォン向けカードRPG「忘却前夜」があります。また、「戦国小町苦労譚 語絵巻 - カタリエマキ -」は、シリーズ累計360万部を突破した人気小説『戦国小町苦労譚』(著:夾竹桃/アース・スター エンターテイメント刊)を、フルボイス化&平沢下戸先生の魅力溢れるヴィジュアルで再構築したノベルアプリで12/3(水)リリース予定です。
(えぶりばでぃ将棋)
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EnterpriseZine編集部(エンタープライズジン ヘンシュウブ)
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提供:PingCAP株式会社
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