「デジタル人材」に共通の定義はいらない
──金融IT協会が掲げる「デジタル人材」とは、どのような人材を指すのでしょうか。
岸氏:まず、協会の中で「デジタル人材とはこれだ」という定義があるわけではありません。
岡田氏:デジタル人材の定義は、各金融機関でバラバラですからね。各社のビジネスモデルによって、定義やゴールが変わってきます。ですから極論をいえば、「デジタル人材」という言葉にこだわっている時点で遅れているともいえるでしょう。本当にデジタル化が進めば、いずれこの言葉はなくなっていって、エンジニアやデータサイエンティストなどにそれぞれ細分化していくと思うんです。
私が代表理事を兼務する金融データ活用推進協会(FDUA)のように、AIやデータサイエンティストといった特定の専門人材に特化したハブは別に存在します。金融IT協会は、それよりももっと裾野が広く、全員のITリテラシーを底上げしていくことをコンセプトにしています。これらを両輪でやっていかなければ、企業のDXはどこかで行き詰まると考えています。
岸氏:それを踏まえたうえで金融IT協会の場合、まずは「デジタル化」に寄り添うところから始めています。まだまだデジタル化が進んでいないという企業も多いですからね。ただ、そこから攻めのデジタル化、いわゆるDXまでをゆくゆくは自走していけるように、金融IT検定や、異なるスキルセットのカリキュラムも併せて用意しています。
山口氏:ITというのは、従来は情報システム部門のような専門部署の方だけが扱うものだったのですが、今は金融業界で働く人全員がITを活用する時代になりました。それを我々は「ITの民主化」と呼んでいます。
ですから、金融IT協会がデジタル人材になるための後押しをする対象は、あらゆる金融機関や保険・証券などで働く、営業店舗から事務部門までを含めた「全員」です。金融業界のすべての方がデジタルを使いこなす世界を、組織の枠を超えてコミュニティで後押ししているんです。
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森 英信(モリ ヒデノブ)
就職情報誌やMac雑誌の編集業務、モバイルコンテンツ制作会社勤務を経て、2005年に編集プロダクション業務とWebシステム開発事業を展開する会社・アンジーを創業した。編集プロダクション業務では、日本語と英語でのテック関連事例や海外スタートアップのインタビュー、イベントレポートなどの企画・取材・執筆・...
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