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Security Online Day 2026 Spring

2026年3月17日(火)オンライン開催予定

EnterpriseZine(エンタープライズジン)

EnterpriseZine編集部が最旬ITトピックの深層に迫る。ここでしか読めない、エンタープライズITの最新トピックをお届けします。

『EnterpriseZine Press』

2025年夏号(EnterpriseZine Press 2025 Summer)特集「“老舗”の中小企業がDX推進できたワケ──有識者・実践者から学ぶトップリーダーの覚悟」

金融業界のDX・IT民主化を「コミュニティ」の力で前へ!

住友生命保険・岸和良氏と語る「金融DX」の現在地、業界特有ピラミッド型組織も「越境」の力で乗り越えろ

【前編】

 金融業界横断でDXやITモダナイゼーション、テクノロジー活用の知見・ノウハウを共有し、変革を後押しするためのコミュニティを提供している金融IT協会。メガバンクから地方銀行、信用金庫まで、さらには保険、証券など190社以上の組織が参画している。そこで「デジタル人材育成委員長」を務めるのが、住友生命保険 エグゼクティブ・フェローの岸和良氏だ。今回は同氏をゲストに招き、協会の理事長・副理事長とともに、金融業界におけるDXやデジタル人材育成の現在地と課題について意見を交わしていただいた。前後編の2本立てて、その内容をお送りする。

前身からの縁で金融IT協会に参画、デジタル人材育成委員長に

──岸さんは現在、住友生命保険ではエグゼクティブ・フェローのお立場にいらっしゃるのですよね。そこでは何をされているのですか。

岸和良氏(理事&デジタル人材育成委員長):大きくはデジタル戦略、人材育成、異業種共創を担当しています。異業種共創とは、保険会社以外の企業とエコシステムを構築し、保険と保険以外の商品を組み合わせて世の中に提供する取り組みです。

 元々は完全にITシステム側の人間だったのですが、2000年頃から事業開発に興味を持つようになり、現在のようなキャリアへの道を意識し始めました。社外活動は20年ほど続けており、人材教育や金融機関へのデジタル支援に携わってきました。保険会社は、銀行窓販で金融機関が代理店になっているため、そこで金融機関の課題や人材育成に深く関与してきました。

 住友生命保険の中で異業種共創のような活動に関わり始めたのは2016年です。その頃はフィンテック(FinTech)が流行しており、健康増進型保険「Vitality(バイタリティ)」のプロジェクトに誘われました。

──金融IT協会と関わるようになった経緯を教えてください。

岸氏:2013年頃、金融IT協会の前身となる「金融ITたくみs(以下、たくみs)」の代表と知り合いました。当時の私は社内のレガシーシステムに携わっていたのですが、ある時に代表の記事を見つけてすぐに電話し、意気投合したんです。お亡くなりになるまで毎月壁打ちしていただくような関係でした。

 そして、たくみsがなくなってしまうと思っていたところに、岡田さんが来られて「検定教育を作る」というお話を聞かせていただいたのです。お役に立てるかもしれないと、すぐに協力を申し出ました。

特定非営利活動法人金融IT協会 理事&デジタル人材育成委員長/住友生命保険相互会社 エグゼクティブ・フェロー デジタル共創オフィサー デジタル&データ本部 事務局長 岸和良氏
特定非営利活動法人金融IT協会 理事&デジタル人材育成委員長/住友生命保険相互会社 エグゼクティブ・フェロー デジタル共創オフィサー デジタル&データ本部 事務局長 岸和良氏

岡田拓郎氏(副理事長&IT民主化委員長):たくみsが「金融IT協会」となって再出発したのは2024年1月ですが、それまでも理事長の山口さんとは、「『金融IT検定』を創りたい」という話はしていました。私のキャリアは地方銀行でのCOBOLエンジニアからスタートしたのですが、社内のIT部門とユーザー側の部門とで会話がかみ合わない経験を何度もしたため、共通言語を作る必要があるという課題をずっと感じていたんです。

 検定を開発するためには、「金融ビジネスへの理解」、「金融におけるIT開発への理解」、そして「検定試験の企画・運営経験」という3つのスキルが必要です。そんな時、岸さんがビジネスでも活躍され、検定試験も企画されていると知りました。そこで、山口さんに相談して協力を要請しました。

山口省蔵氏(理事長):私はたくみsでも理事を務めていたため、以前から岸さんのことは存じ上げていました。住友生命保険でVitalityという革新的な商品を開発された時には、講演もしていただきましたね。金融IT検定を作るにしても、デジタル人材育成を業界横断で促進していくにしても、岸さんは必要なすべての要素を備えている方だと思います。

──協会に参画する前から様々な活動をされていましたが、参画後には何かご自身の活動に変化は起こりましたか。

岸氏:本当に良い機会をいただいたと感謝しています。当時の私が携わっていたVitalityを例に挙げると、この商品は保険にデジタルを掛け合わせて新たな価値を吹き込んだものですが、そのエコシステムは自社だけで完結するものではなく、様々な企業と連携することを前提としています。そこで、パートナーである金融機関の中で、デジタルに馴染みのない方への支援が必要だという課題があったのです。

 この時、一社ずつ回ってレクチャーをするのでは膨大な時間がかかりますよね。しかし金融IT協会のようなハブがあれば、まとめて教育支援ができるのです。しかも意欲の高い方が集まるため、チャレンジングなカリキュラムや思考法も積極的に試すことができる点は本当に魅力的です。情報収集や知見の共有を行う場として、共創の観点からも大きな価値がありますし、効率性の面でも素晴らしいコミュニティになっていると思います。

山口氏:たくみsは汎用機系のレガシーシステムへのアプローチが主なテーマでしたが、金融IT協会では新しいチャネル開拓、商品開発といった、攻めのITやDXの議論ができます。体制の刷新にともない、活動の幅を大きく広げたのです。

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「デジタル人材」に共通の定義はいらない

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金融業界のDX・IT民主化を「コミュニティ」の力で前へ!連載記事一覧
この記事の著者

森 英信(モリ ヒデノブ)

就職情報誌やMac雑誌の編集業務、モバイルコンテンツ制作会社勤務を経て、2005年に編集プロダクション業務とWebシステム開発事業を展開する会社・アンジーを創業した。編集プロダクション業務では、日本語と英語でのテック関連事例や海外スタートアップのインタビュー、イベントレポートなどの企画・取材・執筆・...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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