エージェント型AIはITインフラ運用をどう変えるのか?ガートナーが“6つの活用ケース”で示す将来図
「守り」の情シスから「AIファースト」のイノベーターへ変革を
2028年までに人が介入するIT運用は4割未満に?
ハイト氏は「ここまで見てきた6つのユースケースを導入する際の評価ポイントは、エージェントを自分たちで作るか作らないかではなく、ベンダーが提供する設計に拡張性があるか、監査可能か、セキュリティが担保されているか、継続的改善が可能かにある。また、運用コストも忘れてはならない」とアドバイスする。そして、ベンダーの提供するソリューションも進化が続くことを踏まえ、エージェントに関する以下2つの予測を紹介した。これらの予測は、推論ベースのワークフローの自動化が進むこと、自動化のスピードがより速くなることを予測するものだ。
- 2024年末時点では5%未満だが、2028年までに、全ITオペレーションツールの60%にAIエージェント機能が搭載される
- 2025年時点では95%超だが、2028年までにエージェント型ワークフローの実行における人間の関与は40%未満に減少する
さらに、現時点のユースケースの焦点はオペレーションの最適化にあるが、その先には問題そのものの再定義にAIを使う方向に進化する見方をハイト氏は示した。これはオペレーションモデルをよりイノベーション主導にしていくことを意味する。その一例に、今回は除外したまったく新しいユースケースとして、デジタルツインを使った「インテリジェントシミュレーション」が考えられるという。
これは、現在のインフラ構成をデジタルツインで構築し、本番環境に何か変更を加える前に、仮想モデル上で事後の結果を予測して先手を打っておくことができるものだ。実現すれば、インフラ運用プロセスはより自律的に変わるだろう。
では、これからの環境変化にI&Oチームはどう備えればいいか。ハイト氏は目指すべきは「AIファーストの組織」だとする。「AIで何ができるかを組織に示すためには、シニアI&OリーダーはAIリーダーに変わらなくてはならない」と訴えた。
I&O組織のメンバーは、インフラの安定性や信頼性の維持が最も重要なミッションだったため、これまでイノベーティブであることを奨励される環境にはいなかった。もちろん既存のミッションは今後も重要なものだが、そこに加えて、よりスピード感をもって試験的に様々なことに挑戦する姿勢が求められることになりそうだ。
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- この記事の著者
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冨永 裕子(トミナガ ユウコ)
IT調査会社(ITR、IDC Japan)で、エンタープライズIT分野におけるソフトウエアの調査プロジェクトを担当する。その傍らITコンサルタントとして、ユーザー企業を対象としたITマネジメント領域を中心としたコンサルティングプロジェクトを経験。現在はフリーランスのITアナリスト兼ITコンサルタン...
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