2026年2月5日、KiteRaは事業戦略説明会を開催した。
同社は社内規定業務を効率化するためのSaaSを提供する企業。2019年の設立以来、事業会社向け「KiteRa Biz」と社労士向け「KiteRa Pro」を核としたサービス展開をしており、直近3年はARR150%の成長率を維持するなど伸長している。
昨今、ダイハツ工業やトヨタ自動車における認証不正問題、小林製薬の「紅麹」サプリによる健康被害問題、フジテレビと中居氏をめぐる問題、プルデンシャル生命の不適切行為など、コーポレートガバナンスへの関心が高まる中、「GRC(Governance, Risk, and Compliance)」の強化に取り組む日本企業が増えてきた。既に米国におけるGRC市場は急成長しており、WorkivaやMetricStream、ServiceNowといった有力プレーヤーの存在も大きい。
そうした背景からKiteraは、GRC支援ソリューションとして「KiteRa GRCプラットフォーム構想」を本格始動させる。具体的には、これまでKiteRa Bizなどの提供にともない同社が整備してきたデータベースを核として、人事や監査などの現場担当者が用いるアプリケーション、LMSやリスク検知などの従業員向けアプリケーションを順次ローンチしていくことで、効率的なGRC体制の構築をサポートしていく形だ。同社 CEO 植松隆史氏は「内部統制のためだけでなく、企業成長に向けた稼ぐためのツールとして推進していきたい」と述べる。
これにあわせて、KiteRaは全国労務診断協会の株式を過半数取得することで、グループ会社化することも発表された。全国労務診断協会では、労務監査クラウド「ヨクスル」を提供しており、今回のM&AによってKiteRa Proのユーザーにヨクスルの導入を推進。加えて、ヨクスルをKiteRa GRCプラットフォームに取り込むことで、本年度末までに「KiteRa Biz労務監査アプリケーション」をリリースする予定だ。
KiteRaグループへの参画について、全国労務診断協会 代表取締役を務める今田真悟氏は「現場では守るべきルールが多く把握できておらず、後追い対応になっている実情がある。『対策をしたいが取り組み方がわからない』という企業が多い中、(KiteRaグループへの参画によって)労務監査から社内規定までを一体的に管理できるようにすることで、リスクの早期可視化、雇用環境の整備を効率的に進めていける」と話す。また、実際に両社のサービスを利用している汐留社会保険労務士法人 新井将司氏は、「規定と監査の実態がつながり、循環していき、シームレスにつながっていく」と期待を寄せた。
さらにKiteRaは、社内規定以外の公式文書を利用するためのサービス「公式文書」を本年3月にリリースする。同サービスにより、マニュアルや手順書といった公式文書と社内規定を横断検索することができ、文書間の整合性も自動的に維持されるようになるとのことだ。
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岡本 拓也(編集部)(オカモト タクヤ)
1993年福岡県生まれ。京都外国語大学イタリア語学科卒業。ニュースサイトの編集、システム開発、ライターなどを経験し、2020年株式会社翔泳社に入社。ITリーダー向け専門メディア『EnterpriseZine』の編集・企画・運営に携わる。2023年4月、EnterpriseZine編集長就任。
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