Honda、富士電機、YKK APが語る「日本型ものづくり」の次章──PLMとMESのデータ連携が拓く
10/9 IVI公開シンポジウム2025Autumn #02
YKK AP:製品と設備、2つのPLMを「斜めに」繋ぐ
窓やドア、ビル建材を手掛けるYKK APは、材料開発から製造設備、金型まで自社で開発・製造する「一貫生産思想」を貫いてきた。この強みが、デジタル変革においては「壁」となったと、工機技術部長の澤田喜和氏は明かす。
「自分たちで設備を作れるがゆえに、各現場がそれぞれの最適解を追求して自動化を進めてきました。その結果、大小約400ある生産ラインでシステムやデータ形式がバラバラになり、全社的なデータ活用を阻む『サイロ化』を招いてしまいました」(澤田氏)
現場の改善意識は高い。しかしそれは「機械化」や「自動化」に向いており、データで全体最適を図る視点が不足していた。澤田氏はこれを「データドリブンな思考の欠如」と表現する。
YKK APが取り組むのは、「製品のPLM」に加えて「設備のPLM」という概念を導入し、両者を連携させることだ。
「製品の仕様が変われば設備の条件も変わる。逆に、設備のコンディションが悪化すれば製品品質に影響する。製品のPLM、設備のPLM、そしてMESの3つを連携させ、『斜めの繋がり』を強化しようとしています」(澤田氏)
また、データ統合においては、巨大な一元システムに集約するのではなく、データや用語の「定義」を統一することで分散システムを繋ぐ「緩やかな結合」を目指している。
現場が自律的にデータを使いこなせるよう、ノーコードツールの導入も進める。澤田氏はこれを「現場へのインセンティブ」と位置づける。システム部門主導ではなく、現場力をデジタルで拡張する。それがYKK APのアプローチだ。
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京部康男 (編集部)(キョウベヤスオ)
ライター兼エディター。翔泳社EnterpriseZineには業務委託として関わる。翔泳社在籍時には各種イベントの立ち上げやメディア、書籍、イベントに関わってきた。現在はフリーランスとして、エンタープライズIT、行政情報IT関連、企業のWeb記事作成、企業出版支援などを行う。Mail : k...
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