「今こそ経理が輝くチャンス」野村不動産HD 今川氏に訊く、社員への“強制力”で推進した経理DXの裏側
ガバナンス強化の視点から、強気の施策で業務プロセスを変革
今こそ、経理部が日の目を浴びる最大のチャンス
さまざまな経理業務のデジタル化を進めてきた野村不動産HDだが、その効果は定量的な側面でもたしかに表れている。具体的には、Bill Oneの導入により同社 資金部の業務時間を最低9,000時間削減できた。全社規模で考えれば、それ以上の業務効率化を計れたことになる。
また、業務が効率化されると「自分たちの仕事がなくなるのではないか」と心配する声も耳にするが、同社ではむしろデジタル化を進めたことで結果的に仕事量は増えたという。その一例として、従来他部署で行っていた業務を、資金部のメンバーが代行するようになったそうだ。
たとえば、今まで総務部門が管理していた出張旅費システムの管理を、昨年から資金部が行うようになった。そのほか、人事部が行っていた細かな業務やグループ会社の経理部が行っていたインボイス制度の承認業務を資金部で集約して行うといった取り組みが進んでいるとのことだ。
「デジタル化が進んだことで、職場の風土改革が進んだように感じています。人がやらなくても良い業務を経理DXサービスに任せることで時間が確保でき、他の部署からの仕事が増えたことでメンバー同士のコミュニケーションが活性化し、それにより意見が言いやすい環境ができあがってきた。こんな風通しの良い部署、他にないですよ(笑)」(今川氏)

今後は、出張に関する経費の効率化や、経費精算の承認業務の廃止を目指していきたいと同氏は語る。現状は、不必要な承認業務が形骸化し、作業効率を悪化させている状況にある。そのため、AIの活用なども視野に入れながら、経費精算業務の見落としが起こらない、仮に見落としが起こってもテクノロジーでカバーできるような環境づくりを進める方針とのことだ。
最後に、今川氏は「今こそ経理が現場から評価される絶好のチャンス」と目を輝かせる。
「今まで、経理には『花形ではない』『事業部門から煙たがられる』といったマイナスイメージが付きまとっていたと思います。しかし、経理業務のデジタル化を進めると、社員から非常に感謝される。こんな経験、約15年間経理業務に従事してきた中で一度も体験したことがありませんでした。今が、社員から感謝してもらえるチャンスなのだと感じています。
また、従来の運用を変えると必ずネガティブな言葉をかけてくる人が出てきますが、その言葉をほどよく無視しながら『自分は社員のためになることをやっている』と前向きに進んでください。今までの自分から、一歩殻を破った先には違う世界が見えるはずです」(今川氏)
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