Workday(ワークデイ)は、2025年に買収したエンタープライズ検索やナレッジマネジメントのプラットフォームである「Sana」の技術を統合した、「Sana from Workday」を発表した。
多くの企業で、AIエージェントやコパイロットをはじめとする様々なAIツールが分断されたシステム上に散在しており、AIへの投資効果を十分に引き出せていないという。また、個別に導入されたAIツールは、コアシステムと同じデータやコンプライアンスの文脈、ビジネスルールを共有していないことから、エンタープライズレベルの精度を十分に発揮できない場合が少なくないとのことだ。
Sana from Workdayは、業務ワークフローから切り離された存在ではなく、ビジネスを支える中核となるシステムやプロセスの中にAIを組み込むことで、単に情報を提示するだけでなく、企業がすでに信頼を寄せているセキュリティモデル、コンフィギュレーション、ポリシーに基づき、人事・財務業務を実行するとしている。そのため、適切なデータとルールに基づいた回答やアクションを実現するという。
また、Workdayが提供する既存のセキュリティ、権限管理、監査のフレームワーク上で稼働するため、人事や財務といった機密性の高いデータに対しても、企業が信頼しているガバナンスをそのまま継承するとのことだ。
Sana from Workdayは、対話型AIインターフェース、業務自動化エージェント、外部システム連携機能で構成されるとのこと。まず、Workday上での新しいAIインターフェース「Sana for Workday」は、ユーザーが自然言語で質問や依頼を行い、必要な情報の取得や業務の実行が可能だという。
次に、業務自動化エージェントである「Sana セルフサービス エージェント」は、300種類以上のスキルを備え、人事・財務に関する日常的な業務を自動化。たとえば、申請や承認、データ確認といったタスクをAIが代行することで、従業員の生産性向上に貢献するとのことだ。
加えて、外部システム連携機能となる「Sana Enterprise」は、GmailやMicrosoft Outlook、Salesforce、SharePointなどの外部アプリケーションと連携し、複数のシステムを横断した業務の実行を可能にするという。これにより、従業員は日常的に利用するツールをまたいで、必要な情報の取得から業務のオーケストレーション、自動化までをシームレスに行えるとしている。
Workdayの人財・財務データに基づくAIエージェント
単独で導入されたアシスタントやコパイロットが主に提供する「提案」にとどまるのに対し、Sana from Workdayは複数のシステムを横断し、業務を実行するAIエージェントをオーケストレーションするとのことだ。
その中核となるのが、以下4つの機能だという。
- Find(回答):社内ナレッジやWorkdayのデータに基づき、出典付きで即座に回答を提供。たとえば、従業員が「有給休暇日数はどれだけ残っているか」や「A社の現在の契約金額がいくらか」といった質問をすると、数秒で明確な回答を得ることが可能
- Act(実行):企業の権限設定に基づき、連携されたシステムを横断してタスクを実行。たとえば、「住所を更新して、さらにそれが税務書類や福利厚生にどのように影響するかを教えてほしい」や「A社の契約金額を43万1,000ドルに更新してほしい」といった依頼に対応可能
- Build(生成):ナレッジや業務データをもとに、ダッシュボードやサマリー、ドキュメントを生成。たとえば、マネージャーが「Workday Recruiting のデータをもとに、候補者のパイプラインの進捗や面接フィードバックを可視化したダッシュボードを作成してほしい」と依頼することが可能
- Automate(自動化):ノーコードで複数ステップのワークフローを設定し、エージェントがバックグラウンドで業務を実行できるようにする。たとえば、「毎月、メール内の領収書を確認し、ポリシーと照合したうえで経費精算レポートを作成し、提出前に自身に承認用レポートを送信するワークフローを設定してほしい」といった依頼が可能
Workdayが提供する新たなAIファースト体験
Sana for Workdayでは、CHROやCFO、マネージャー、従業員が、ひとつのユーザインタフェースから質問の入力やワークフローの実行、Workday内の各種AIエージェントとの連携を行えるという。従来のメニューやナビゲーションに代わり、対話型AIを中心とした新しいユーザー体験を提供し、Workdayの操作性を変革すると述べている。
利用量に応じて価値と料金を結びつけるWorkday Flex Creditsを通じて、すべてのWorkdayユーザーが利用可能とのことだ。
Sana EnterpriseがWorkdayを日常的に使うツールへ拡張
Sana from Workdayの体験企業内の各種システムへ拡張する「Sana Enterprise」は、Box、Confluence、Gmail、Googleカレンダー、Googleコンタクト、Googleドライブ、Googleタスク、Jira、Linear、Microsoft Outlookカレンダー、Microsoft Outlookメール、Miro、Notion、Salesforce、ServiceNow、SharePoint、Slack、Zoomなどとの連携に対応しており、今後さらに対応範囲を拡大していく予定だという。
これらの連携により、従業員は複数のシステムを個別に検索することなく、ひとつの対話の中で業務を完結できるようになるとのことだ。たとえば、GoogleドライブやSharePointから最新のドキュメントを見つけてチームに共有する、あるいはOutlookやGoogleカレンダーで予定を確認して会議を設定する、Jiraのチケットを確認してプロジェクトの課題を特定するといった業務を、すべてSana Enterprise 上で実行できるとしている。
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EnterpriseZine編集部(エンタープライズジン ヘンシュウブ)
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