ロッテ×日立システムズの女性CIOが語る「AI時代のデータ変革」と「自分らしいキャリアの築き方」
ITの世界に男女の垣根はない「新しいことにチャレンジする人が成長できる」
ITの世界に男女の垣根はない “自分らしく輝く”ためにエール
セッションの後半では、テーマを「キャリア」へと移し、女性CIOとして活躍する両氏がどのように困難な壁を乗り越えてきたのか、等身大の言葉で語られた。
キャリアに対するアプローチにおいて、両氏は対照的な変遷をたどっている。外資系企業で多様なロールモデルに憧れ、「完璧かどうかもわからないけどチャンスをいただいたらちょっとチャレンジしてみようかな」と前向きに一歩を踏み出してきた丸茂氏。それに対し、日立システムズの吉田氏は「一つひとつの経験に向き合ってきた結果が今につながっている。私にとってのキャリアは積み重ね」と語る。24時間365日のシステム運用保守、大規模開発、SAP導入、サイバー攻撃対応など、眼前の困難なプロジェクトを一生懸命にやり遂げた結果として、前のCIOから「バトン渡すからちゃんとやれよ」と言われた時に「CIOにならなきゃいけないんだ」と覚悟が決まったという。
大人数の組織を牽引するマネジメントの不安に対して、丸茂氏は「全部自分で仕切らなくていい。直属のメンバーを信頼して、その方たちに委譲していく。権限を委譲した方を私がサポートすることで、自主的に判断をしてくれるようなチームが作れる」と説く。

吉田氏もこれに深く同意し、「マネージャーの下にいるリーダーをまずしっかり見て、リーダーに自分の意思を伝えている。もちろん、(リーダー配下の)メンバーたちとも何気ない話をこまめにする」と述べ、組織メンバーを信頼しつつ、現場との対話を欠かさない大切さを語った。さらに「自分が困ったときには、1人で悩まずにいろんな方に相談する」と、周囲を巻き込む姿勢をアドバイスした。
仕事と育児の両立についても女性IT従事者にエールが送られた。吉田氏は「基本は仕事とプライベートは完全に分けているが、子供が小さいときは家庭の優先度が高かった。それでも仕事を優先するときは放ったらかしてしまうこともあり気にしていたが、子供はたくましく育った」と笑顔で明かし、一人で完璧な母親を演じようと抱え込まないことの大切さを語る。
また、韓国での組織統括経験をもつ丸茂氏は日韓の女性のモチベーションの違いについて「日本は『私なんか』と謙遜するところが多くて、『なりたい自分』よりも『なれる自分』を先に考えてしまう傾向にある」と分析し、日本の女性が自己制限を取り払う必要性を訴えた。
モデレーターを務めた、ノンフィクションライター 酒井真弓氏
EnterpriseZineでは連載「酒井真弓の『Enterprise IT Women』訪問記」を担当
最後に、挑戦し続けるIT従事者たちに向け、丸茂氏は「ITの世界は、男性・女性の垣根が全然ないと思っている。新しいことにチャレンジする人がどんどん成長していく。ここに男女差は本当にないので、どんどんチャレンジしていってほしい。絶対に明るい未来が待っている」と力強く背中を押す。
そして吉田氏は、「キャリアというのは一人ひとり違うもの。その中で大切なのは自分の持っている時間の使い方で、自分がどうなりたいか、何を実現したいかということ。時間という自分が持っている資本を上手に配分して自分自身をマネージしていってもらいたい」と語りかけ、自分自身の時間の主導権を握ることで、自分らしい輝きにつながることを示した。確固たるプロ意識と、しなやかな姿勢を兼ね備えた両リーダーのエールで、セッションは幕を閉じた。
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小山 奨太(編集部)(コヤマ ショウタ)
EnterpriseZine編集部所属。製造小売業の情報システム部門で運用保守、DX推進などを経験。
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