AIエージェントにどこまで任せていい?社内データとAIをつなぐ「データ連携基盤」が統制の役目担う
情シスに依頼殺到のデータ連携作業……AIによるサポート機能で“現実的な民主化”へ
AI機能搭載の「新版」リリース:フロー生成/AI-OCR対応も
アステリアは2026年8月31日、Warpシリーズの新バージョン「ASTERIA Warp 2608」の提供を開始する。今回のバージョンでは、「AIでデータ連携を簡単に(設計・作成時の強化)」と「社内システムと連携したAI活用を簡単に(実行時の強化)」という2つの観点から、設計・実行の両面で機能強化が行われているという。
中心となるのが、ベータ版として搭載される「AIフロー作成」だ。自然言語で「CSVのデータをデータベースに移行したい」といった指示を入力すると、AIが対話形式で要件を整理し、データ連携フローを自動生成する仕組みだ。生成されたフローはそのまま実行できるほか、必要に応じてノーコードで調整することも可能だ。
さらに、開発や運用中の疑問に対してチャット形式でAIが回答する「AIチャットボット」(ベータ版)も追加され、ユーザーの自己解決や開発効率の向上を支援。これにより、ゼロからフローを構築するハードルが下がり、開発の初期プロトタイピングにかかる時間を短縮できるだけでなく、既存フローの修正や運用中のトラブル対応でも、AIに質問しながら進められるようになる。AIが提示したベースラインや回答に対して人間が確認・微調整を加える協働スタイルが、開発から運用までの実務に取り入れられやすくなる。
実行フェーズにおけるAI活用の強化としては、「生成AIアダプター」の機能拡張が挙げられる。従来のテキストベースでの連携に加え、新たにファイルの直接送信が可能となった。帳票や請求書のPDFを生成AIに渡してAI-OCR処理を行わせたり、現場で撮影した写真を認識させて分類コード(メタデータ)を付与したりといった処理が可能になる。こうした非構造化データも業務フローに組み込めるようになる。
また、インフラ面では「フローデザイナー ブラウザー版」(ベータ版)の提供も開始された。従来のフローデザイナーはWindows専用のインストール型ソフトウェアであったが、ブラウザー版の登場により、インストール不要でWebブラウザーからフロー開発を行えるようになる。これにより、LinuxやMacといったOSの制約を受けずに開発できる。情シスにとっては、クライアント端末ごとのインストール管理やアップデートの負担軽減につながる。
一気に下がった“民主化のハードル” 現場主導の変革ドライバーに
新バージョンで提供されるAIフロー作成とフローデザイナー ブラウザー版の組み合わせは、単なる機能追加にとどまらず、組織の役割分担やDX推進の進め方にも影響を与えうる。それは、これまで構想として語られることの多かった「データ活用の民主化」を、現実的な取り組みへと変え始めている。
これまでは、ノーコードツールであるASTERIA Warpを利用する場合であっても、システムやデータ構造に関する一定のIT知識が必要であり、フロー作成は特定の専門人材や情シス部門に依存しがちであった。その結果、業務部門からのデータ連携依頼が情シスに集中し、対応の遅れがビジネスのボトルネックになるケースも少なくなかったという。東海林氏は「データ活用のツールを使える人が限られており、そういう人材がボトルネックになっていた」と従来の状況を振り返る。

しかし、自然言語によるAIの構築サポートと、ブラウザーを開くだけで手軽に開発を始められるようになったことで、ITの専門知識を持たない業務部門や現場のスタッフであっても、自ら必要なデータを集め、連携フローを構築できるようになる。東海林氏は、「専門性を持つ人材がボトルネックになっていた部分が、AIの力を借りて解消されてくる。ビジネスをデータドリブンで回すような流れというのが今後さらに強まるのではないか」と語り、現場主導でビジネスが加速する可能性を指摘する。
業務部門が自らデータ連携を行えるようになれば、情シスの承認を得ずに野良アプリや勝手なAI連携を作ってしまう「シャドーIT」の発生が危惧される。そこで情シスが、安全なガードレール(接続コネクションやアクセス権限)をあらかじめ定義・提供し、その枠組みの中で現場が自由に連携フローを組み立てるようにすることで、健全なガバナンスモデルを構築できる。
現場が主導して開発に参加できる環境を整えつつ、コネクションの事前定義やアクセス権管理といった仕組みによって、情シスが求める統制も維持。こうした両立が、組織全体でのWarp活用を進めるうえで重要になる。
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EnterpriseZine編集部(エンタープライズジン ヘンシュウブ)
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提供:アステリア株式会社
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