出社回帰にともないLINEヤフーがオフィスを新設、一部社員からの反発に「最適な環境」の提供で応える
オフィス訪問記⑩:「オフィス分科会」を立ち上げ、ボトムアップで設計を推進
一部社員から出た出社への「反対の声」 ボトムアップのオフィスづくりで応える
建設会社でのプロジェクトマネジメントやゲーム会社でのオフィス立ち上げを経て、2013年よりヤフー(現、LINEヤフー)のファシリティおよび総務部門を牽引してきた坂口卓氏は、今回のオフィス設計における思想をこう語る。
「在宅勤務で各自が働きやすい環境を整えたからこそ、オフィスには『家では実現できない価値』が必要です。単に執務デスクを並べるのではなく、社員同士の偶発的な出会いやリラックスした対話が生まれるファシリティを目指しました」(坂口氏)
旧ヤフーオフィスのスケルトン天井による開放感や、旧LINEオフィスのブランドアイデンティティを反映したサインデザイン・フォントなど、両社が培ってきたオフィス文化の美点を融合した。さらに、ヤフーのロゴの傾斜角に由来する“62°のイノベーションエッジ”を照明や椅子の角度、館内ピクトグラムなどに意図的に落とし込むなど、随所に遊び心とブランドへの愛着が散りばめられている。
リモートワークが定着していた中での原則週3回出社への移行には、一部の社員から反発や戸惑いの声が上がった。そうした声に対し、坂口氏は制度で強制するのではなく、「出社することのデメリットを上回るような環境を提供する」ことで応えようと考えたという。その具体的なアプローチとして立ち上がったのが、全社各部署から約20名のメンバーを集めた「オフィス分科会」だ。
分科会では約3ヵ月間にわたる議論を経て、「集中とリラックスのメリハリ」「予約なしで集まれるクイックな対話スペース」など多様なリクエストが反映された。中には、採用こそされなかったものの「サウナを作りたい」といったユニークな提案もあったという。
こうして誕生した赤坂オフィスオープン後、社員からは「見通しが良く活気が感じられる」「カジュアルな対話が増えた」とポジティブな反響が寄せられている。会議室の予約率が従来より下がっているというデータも出ており、それはオープンエリアやCONNECT STREETなどでの気軽なコミュニケーションが機能している証と言えるだろう。
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