アクセンチュアが提言:フロンティアAIが暴く脆弱性対応に追われる現場を救え!経営直下の司令塔の作り方とは
アクセンチュア:「フロンティアAIが変える攻撃と防御」レポート
まずIT資産を可視化し、クラウドシフトで守る範囲そのものを減らす
司令塔が最初に着手すべきは、実のところIT資産の把握である。日本企業にはここが弱い企業がかなり多い、と藤井氏は指摘する。信じられない話かもしれないが、自社がどのようなIT資産を持っているか、全容をつかみきれていないという。
脆弱性対応の流れは資産情報の把握から始まる。フロンティアAIモデルがあってもなくても、この順序は変わらない。何を持っているか分からなければ、どこに弱点があるかも、どこにパッチを当てればよいかも決まらない。前提条件であるはずのこの部分に企業が力を入れ始めたのは、これまでになかった動きだという。
把握したうえで、守る面積そのものを減らす。オンプレミス環境では、物理的に抱えている層すべてに自社または委託先がパッチを当てる必要がある。層と数が多いほど人手も委託費もかさむ。PaaSであれば下の層はクラウドベンダーが担い、SaaSであれば責任共有モデルの下で提供側が裏側の適用を引き受ける。
これは技術論というより予算の話として持ち上がっている。オンプレを維持した場合にパッチ適用だけでIT予算をどれだけ削るかを試算し、モダナイゼーションと絡めて経営判断に乗せる企業が出てきた。
ランサムウェア対策は作り直さず、前倒しして順番を組み替える
手元にある計画を捨てる必要はない。昨年多くの企業が整備したランサムウェア対策は、フロンティアAIモデルがもたらす脅威に対してもかなりの割合がそのまま使える、と藤井氏は言う。
問題は速度だ。3年計画や5年計画のままでは間に合わない。新しい施策を一から考えるより、進行中の計画を前倒しし、自社のシステム構成に照らして弱い部分を先に持ってくるほうが現実的だという。
「私も20年以上サイバーセキュリティの領域をやっていますけれども、こんなに急激に、毎週、毎月いろいろなことが変わっていくというのは、さすがに初めての経験です」(藤井氏)
この日の内容も来月には陳腐化しているかもしれない、という留保も添えられた。5月半ばから支援を重ねてようやく施策がまとまってきたが、当初は自社も暗中模索だったという。
とすれば、企業が用意すべきは完成された正解ではなく、前提が崩れるたびに認識を揃え直せる場所ということになりそうだ。司令塔の価値も、おそらくそこにある。
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京部康男 (編集部)(キョウベヤスオ)
ライター兼エディター。翔泳社EnterpriseZine/AIdiverには業務委託として関わる。翔泳社在籍時には各種イベントの立ち上げやメディア、書籍、イベントに関わってきた。現在はフリーランスとして、エンタープライズIT、行政情報IT関連、企業のWeb記事作成、企業出版支援などを行う。Mail ...
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