AI時代だからこそ、レガシーな技術が活きる──データ人材はAIとの対話で“人間性”を失ってはならない
AI活用が当たり前となった今、技術者が認識すべき2つのリスク
「ハンマーを持つと、すべてが釘に見える」すべてにAIを使う必要はない
このように、保守的とされてきた業種でさえ、AI活用には前向きに動きだしている。ピーターソン氏はその背景を競争に対する恐れ、つまり「誰かが自分より速く前に進んでしまうのではないか」という恐れに見出している。誰しもが、競合に取り残されたくはない。そこで、とある問いが事業レベルに落としこまれる。「自分たちは実際にAIを活用し、生産性を高めて、より良く競争できる投資を行っているだろうか」という問いだ。
また、経営層がAI投資に慎重で、ROI(投資対効果)などの懸念を抱える企業も多い。その点について同氏は、AIへの過剰な期待の最先端に張りつく企業とは、少し違った方法で経営層と向き合いたいと明かす。
同氏が望むのは、SASの歴史を携えてテーブルにつき、SASがその場の「理性の声」となることだ。最終的な判断はその企業の状況によって異なるとしたうえで、ピーターソン氏は英語圏でよく使われる比喩を引いた。
「ハンマーをもっていると、すべてが釘に見えてしまいます。つまり、限られた知識や手段しか知らなければ、どんな問題も1つの方法でのみ解決しようとしてしまう。しかし、実際にすべてが釘というわけではありません。AI活用は必須事項ではありますが、なにも業務のすべてに最新技術が必要ではないですから、『ここにはAIを活用し、ここには活用しない』といった形で適材適所の判断をできるよう、サポートしていきたいと考えています」(ピーターソン氏)
最後に、SASが技術を通じて実現したい将来像について尋ねた。挙がったのは「ソブリンティ(主権性)」という考え方だ。「SAS Viya」は、オンプレミスでもクラウドでも稼働する。競合他社の多くはどちらか一方しか提供できず、その大半はSaaSだ。「SASは、データ・クラウド・AIの主権を気にかける顧客にとっての行き先になれる」と同氏は見る。
「50年かけて築きあげてきた信頼のすべてに、『SAS Viya』の柔軟性が加わります。私たちは今後、ソブリンティという考え方に力を入れた、素晴らしい未来を成しとげるでしょう」(ピーターソン氏)
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森 英信(モリ ヒデノブ)
就職情報誌やMac雑誌の編集業務、モバイルコンテンツ制作会社勤務を経て、2005年に編集プロダクション業務とWebシステム開発事業を展開する会社・アンジーを創業した。編集プロダクション業務では、日本語と英語でのテック関連事例や海外スタートアップのインタビュー、イベントレポートなどの企画・取材・執筆・...
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