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総務省が1300億円超投じてDCを地方分散 「AIに強いインフラ/災害時もつながるネット」実現の戦略

総務省 総合通信基盤局 電気通信事業部 基盤整備促進課長 平松寛代氏 講演レポート

「光ファイバをほぼすべての世帯に」公設設備の民間移行も進める

 デジタル技術の恩恵を全国にいきわたらせるためには、地理的条件に恵まれない地域における通信環境の整備・維持が大きな課題となる。そこで総務省は、物理的な土台となる光ファイバの全国世帯カバー率を2027年度末までに99.9%へ引き上げる目標を掲げており、離島や半島などの条件が不利な地域における基盤整備を推進するため、デジタルインフラ整備推進事業として令和7年度補正予算で31.1億円、令和8年度当初予算で30億円を確保し取り組んでいると説明する。

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 あわせて同省は、自治体が保有する公設光ファイバ設備の民間移行も推進する。公設設備においては、人口減少にともなう自治体の財政圧迫や維持管理ノウハウの不足が課題となっていたことから、「公設光ファイバケーブル及び関連設備の民間移行に関するガイドライン」を公表するとともに、具体的事例集を公表して成功事例の横展開を図ることで、民間移行を推進している。

 デジタルインフラ整備推進事業においては、公設設備の民間事業者への譲渡にともない、自治体や民間事業者が5G対応などの高度化改修を行う場合に、補助金による支援を行う。加えて、自治体の自己負担分には過疎対策事業債の充当など、地方財政措置の適用も可能だという。

 人口減少下における長期的なインフラ維持に向けては、制度面での抜本的な改革も行われている。固定電話に加えてブロードバンドサービスをユニバーサルサービス(基礎的電気通信役務)として位置付け、不採算地域における維持管理費の一部を補填する交付金制度が創設された。令和8年度までの制度運用開始に向け、令和7年度に電話と併せて66.6億円の交付金額が認可されている。また、事業者の撤退などが発生した場合でも通信を確保する最終保障提供責務を新設し、指定事業者やNTT東西による最終保障体制が制度的に担保される体制を整えている。

5Gの普及×HAPSの推進:災害時にもつながるネットワークを整備

 モバイルネットワークにおいては、5Gの品質向上に向けたエリアの拡大が進められている。高トラヒックエリアにおける高周波数帯であるサブ6(3.6GHz超6GHz以下)の展開率を2030年度末までに95%、ミリ波基地局を合計7万局まで増加させることが目標だ。26GHz帯のミリ波割当に向けては価額競争実施指針が制定された[1]。

 さらに5G専用のコアネットワークを用いる「5G SA(Stand Alone)」への移行を促すとともに、利用者が高品質な通信エリアであることを識別できるよう、2025年度下期以降発売のスマートフォンから「5G+」という新たなピクト表示の導入が本格化している。

 これに加えて、地上基盤を補完するアプローチとして導入が本格化しているのが、非地上系ネットワーク(NTN)だ。成層圏を飛行する無人航空機などに基地局を搭載する高高度プラットフォーム(HAPS:High Altitude Platform Station)については、2GHz帯のサービスリンクおよび39GHz帯のフィーダリンクに関する技術的条件が取りまとめられ、2026年4月に制度を整備。また、高速大容量化などの高度化を目指し、5年間で124億円規模の研究開発が継続されている。HAPSは山間部や海上、災害時の被災地などに対して上空から広大な通信エリアを提供できるため、防災・減災や地域DXの観点から期待が高い。

 衛星通信分野においては、低軌道周回衛星(LEO:Low Earth Orbit)コンステレーションを活用した高速大容量通信の国内導入が進んでいる。LEO衛星通信ネットワークによる高速・低遅延のインターネットサービス「Amazon Leo」などの導入に向けた制度整備が進められる一方、特定国の海外インフラに過度に依存することへの経済安全保障上のリスクも浮き彫りになりつつある。

 これに対し平松氏は「災害時や有事においても停止しない自律的な通信環境を確保することが不可欠だ」と述べ、日本国内で運用・管理される低軌道衛星通信インフラの整備事業(J-LEO)に1500億円の補正予算を充て、自律性の確保を支援する方針を示した。

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 平松氏はセッションの終わりに、官民が一致団結してデジタルインフラの強靱化と高度化に取り組むことの重要性を強く訴えた。

 「インフラは一度整備して終わりではなく、技術の変化や社会ニーズに応じて継続的に発展させていかなければなりません。そのために、総務省として2030年および2030年代半ばに向けたロードマップを着実に遂行していきます」(平松氏)

[1] 2026年7月に落札者への割当てを行っている。

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竹村 美沙希(編集部)(タケムラ ミサキ)

株式会社翔泳社 EnterpriseZine編集部

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