AIforceだけでない、「Dreamforce 2026」で明かされたAgentforceの進化
Salesforce初となる独自モデル「Koa」の提供
NVIDIAとのパートナーシップ 独自モデル「Koa」登場
初日の基調講演では、Salesforce初の独自モデルである「Koa」も発表された。Koaは、NVIDIA Nemotron 3 Superを拡張して構築されたLLMである。当然ながらNemotronの追加学習には、顧客の生データを使うことは許されない。その代わりに、セールスフォースが創業から約30年間に蓄積してきたナレッジをモデル化した、合成データセットが使われている。これによって生まれたKoaは、業務におけるリアルなプロセス、ワークフロー、ビジネスポリシーを反映したCRMに特化した推論モデルとなった。CRMとしてのセールスフォースに対する深い理解、そして予測型AIの時代から連綿と続くデータ・AIの研究成果が反映されている。
基調講演のゲストとして登場したジェンスン・フアン氏(NVIDIA 創業者兼CEO)は、「NVIDIAはGPU企業からフルスタックのAIインフラ企業へ進化する過程で、AIファクトリーを構築した。その次に考えたのが、どうすればすべての企業をAgentic Enterpriseに変えられるかであった」と振り返り、そのために行ったことを3つ挙げた。
1つ目は、フロンティアモデルの構築。Nemotronはその1つで、他にも自動運転のためのAlpamayo、創薬のためのBioNeMoやProteina-Complexa、フィジカルAI向けCosmosなどがある。2つ目は、AIエージェントの動作を制御するためのハーネスシステムを構築したこと。3つ目がOpenShellと呼ばれる、AIエージェントのランタイム環境である。これはサンドボックス環境として使うこともできるものだ。
これら3つはいずれもオープンな設計を特徴としており、フアン氏は「私たちはクローズドモデルを使うだけでなく、どの企業も自分たち専用にカスタマイズしたプライベートモデルを構築できるようになる未来が訪れると考えている。それこそが皆さんと一緒に取り組んでいること」と語っていた。
Koaは、複数のタスクを実行して複雑な成果を完了させるような、“長時間稼働”するエージェントを支える設計だ。営業のユースケースでも、カスタマーサポートのユースケースでも、複雑な案件における「ベストな次の打ち手」が求められる場面での活躍が期待されている。既にKoaは、一部のAgentforceパイロット顧客向けに提供中。米国リージョンでは、2026年冬に一般提供開始を予定している。
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冨永 裕子(トミナガ ユウコ)
IT調査会社(ITR、IDC Japan)で、エンタープライズIT分野におけるソフトウエアの調査プロジェクトを担当する。その傍らITコンサルタントとして、ユーザー企業を対象としたITマネジメント領域を中心としたコンサルティングプロジェクトを経験。現在はフリーランスのITアナリスト兼ITコンサルタン...
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