サーバの高性能化に伴い、今ではブレードサーバや仮想環境でのサーバ運用が当たり前になっている。今回は、サーバに特化した運用管理について解説する。
サーバの運用管理に求められること
サーバ運用で求められるのは2つ。すなわち、システムを安定稼働させるための「稼働管理」とサーバ資源を有効活用するための「リソース管理」である。
稼働管理
稼働管理では、サーバハードウェアやOSなどプラットフォームレベルの性能や障害を監視する。問題を検出した場合は、障害監視画面にアラートを上げたり、あらかじめ決められた障害対策手順に従った自動運用を行う。また、アプリケーションやミドルウェアレベルでのサーバ稼働監視(※関連記事参照)も対象となる。
一方、リソース管理では、サーバのCPUやメモリーなどのリソースをまとめてプールし、個々の業務で必要とする分だけ柔軟に割り当てるのが究極のリソース管理である。処理が完了した業務からリソースを回収し、別の業務要求に割り当てることでリソースの最適配分を行う。
このサイクルを加速したのが、ブレードサーバと呼ばれるハードウェアの出現である。リソースのプールを同一仕様のブレードで構成することによって、業務への割り当てや回収をブレード単位で行うことが可能になった。また、仮想化技術によって、ハードウェアの枠に縛られない、きめ細かなCPUやメモリーの配分ができるようになったのである。
複数のハードウェアを使ってリソース・プールを構成する上では、ブレードのOSバージョンを均一に保つ「デプロイメント管理」が重要になる。デプロイメント管理では、OSのバージョンやサービスパックだけではなく、各サーバの基本的なセットアップ情報を統一するための運用支援機能を提供する。

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友成 文隆(トモナリ フミタカ)
株式会社日立製作所 ソフトウェア事業部にてJP1やCosminexusなどミドルウェア全般を担当。
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