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「引用」と「Fair Use」の違いに見る日米差

#3


著作権法の例外規定とは、著作権者に無断で行ってもよい著作物の使用(複製その他)に関する規定のことだ。今回は、日米の法の捉え方の違いの分かりやすい例として、著作権法の例外規定の問題をみてみよう。

日本の例外規定~「引用」の概念

著作権法の例外規定とは、著作権者に無断で行ってもよい著作物の使用(複製その他)に関する規定のことだ。日本では、「引用」と定義される著作物の使用は無断で行ってもよいことのひとつとされる。

著作権法では、「引用」の詳細について規定していないが、出典を明記し、引用部分が本文と明確に区別され(コラム、かっこなど)、文章の主従関係が明確(引用文を主体としていない)である、などのいくつかの条件を満たしていれば、著作権者に許可を得なくても、引用として使用できることになっている。

余談だが、「引用したいので、許可をください。」という表現は、法律用語としては間違いである。また、日本の著作権法の例外規定は引用だけではない。

アメリカの例外規定~「Fair Use」の概念

一方、アメリカの著作権法の例外規定には、「Fair Use」という概念が存在する。

教科書や非営利などの公共目的のような「公正」な利用であれば、著作権者に無断で著作物を使用できる規定になっている。

しかし、なにが公正であり、なにが公正でないかの定義やガイドラインは明確ではない。そのつどケースバイケースで判断される。そのため、法律の運用は非常に柔軟であり、時代ごとのコモンセンスが得られる判決に結びつきやすい。しかし、基準が明確でなく、法律に複数の解釈が可能になるという問題は、さきほど指摘したとおりである。

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東京都による青少年健全育成条例の改正案の問題

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この記事の著者

中尾 真二(ナカオ シンジ)

フリーランスのライター、エディター。
アスキーの書籍編集から始り、翻訳や執筆、取材などを紙、ウェブを問わずこなす。IT系が多いが、たまに自動車関連の媒体で執筆することもある。インターネット(とは言わなかったが)はUUCPのころから使っている。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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