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グローバルITガバナンス最新事情

実践事例に学ぶグローバルITガバナンス

市場のグローバル化によって海外拠点のマネジメントが課題となっている。とりわけ、新興国でのガバナンスや情報セキュリティなどの課題に直面している企業が多くなっている。本稿では、日立グループの自社による経験を体系化したグローバルITガバナンスの考え方と、それをお客様にソリューションとして提供してきた事例を紹介する。

はじめに

 最近のビジネスの特徴として、顧客の対象が新興国にまで拡大していることが挙げられる。グローバル事業を推進する上で、人口規模と経済が急成長している市場が重要だからである。また同時に、グローバルレベルでのバリューチェーンの再構築ということが、多くの企業において重要課題として認識されつつある。

 しかしながら一概にバリューチェーンの再構築と言っても、各企業によってその有り様は違う。例えば、原材料の輸出入や加工・組み立て・製造・販売などのプロセスを、最終消費者に製品やサービスが届くまで、どの国で実施するかは、常に変化し続けている。このことは、積極的かつ戦略的なグローバル事業の展開が、グローバル競争に勝つ条件であることを意味する。

 その一方で現実問題となっているのが、グローバル化が進むにつれ海外拠点が散在し、本社と海外拠点の経営のあり方などのベクトルの不一致等が生じていることである。また、折角のグローバル事業が反作用を起こしているケースも急激に増えつつある。そのため、海外拠点の統治を、グローバルガバナンスという視点でしっかり見据えた展開が必要となっている。

 さらに、各国の商習慣や時差などを考慮すると、グローバルで事業を展開していくためにはIT はどうしても不可欠な存在である。このように海外拠点の統治などをIT の視点から行うことを、グローバルIT ガバナンスと定義し、日立の自らの取り組みや、そのノウハウをお客様へ適応した事例をここで呈示する。

日立グループのITガバナンスの取り組み

 日立グループは、各グループ会社や事業部門の独立性を尊重して、IT についても個別対応を基本としていたが、2000年を過ぎた頃からIT に関する運用費用の増大が問題となってきた。このため、IT運用費用の全体最適を目指し、「業種依存が少なく、集約共通化が可能なもの」と「業種依存が高く、集約共通が困難なもの」に分類するという取り組みを日本国内から始めた。

 一方、米国SOX(Sarbanes-Oxley)法対応を契機とした内部統制の整備や個人情報保護法への対応、そして情報セキュリティの強化という観点から、日立製作所本体だけではなく、日立グループ全体、及びグローバルで取り組む必要性が生じてきた。このため、IT システムの共通化およびIT マネジメントに関する標準化を軸として、日立グループ約900 社に対するIT ガバナンスの構築を推進してきた。グローバル強化に向けては、2006年頃から取り組みを開始した。

 議論を重ねた結果、「IT ガバナンスとは統制と自律の最適な配置を議論、合意、遂行すること」と定義し、共通IT の徹底した統合、集約化による分割損の排除とコスト削減をめざした。その結果、標準化をねらう領域と、それぞれの事業の経営判断に委ねることによる競争優位性を確保する領域に分けることとし、日立グループのITガバナンスモデルを策定した(図1)。

図1:日立グループのITガバナンスモデル

 このIT ガバナンスモデルは、「企業・経営・事業」の3 つのプラットフォームと、ITマネジメントで構成される。「企業プラットフォーム」では、事業に依存しないIT 業務と、IT インフラを統合し、高品質・高信頼かつコスト削減をめざす。「経営プラットフォーム」では、業務のシェアードサービス化による標準化と統合を推進することで、業務の柔軟性及び迅速性を確保する。これらの統合により、事業に直結する「事業プラットフォーム」に関連するITへの戦略投資を強化することが可能となる。

 さらに、規則、情報セキュリティ、内部統制など、3つのプラットフォームに共通するITマネジメントに関しては、本社で各種チェックリストを定義し、各グループで共同利用することにより、標準化を推進している。その結果として、独自の解釈によるリスクを低減し、各社の対応工数の削減に貢献している。

 次に、ITシステムやITマネジメントの導入によってイノベーションを実現した日立グループの事例を、ITガバナンスモデルの各要素に沿って紹介する。(次ページへ続く

 

次のページ
日立グループの事例から見るITガバナンスモデルの要素

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平澤 満()

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