IT業界に関わっていれば、クラウドという言葉を耳にしない日はない。それを利用しているかいないかに関わらず、いまやクラウドという言葉は極めてなじみ深いものになった。その一方で、「データベース」―すでにその市場は成熟しきっており、それを主役にした話題作りはある意味時代遅れと言われるかもしれない。しかし、成熟はしているかもしれないが、まだまだ著しい進化があり、日々成長しているのがデータベース市場なのだ。
クラウド以降のデータベースは好調
IT業界に関わっていれば、クラウドという言葉を耳にしない日はない。それを利用しているかいないかに関わらず、いまやクラウドという言葉は極めてなじみ深いものになった。その一方で、「データベース」―すでにその市場は成熟しきっており、それを主役にした話題作りはある意味時代遅れと言われるかもしれない。しかし、成熟はしているかもしれないが、まだまだ著しい進化があり、日々成長しているのがデータベース市場なのだ。
No1データベースベンダーであるOracleの業績を見てみよう。データベース製品の売り上げは前年比25%UPという高い成長率を示している。

企業システムは「プロセス・セントリック」から「データ・セントリック」へ
ここ10年、エンタープライズITの世界では、どちらかといえばテクノロジーよりも業務プロセスに注目してきたきらいがある。業務プロセスをどうシステムに反映させるかが重要であり、IT技術者には業務知識を持つことが求められた。もちろん、技術者が業務知識を持つことは重要かもしれない。だからと言って、ITインフラやプラットホームに関するスキルや知識をないがしろにされていいわけではない。
今後は、システムの上をプロセスがスムースに流れているというのは当たり前で、次なるステップとしてプロセスの中からいかにして有益なデータを生み出し、それをビジネスの成長に生かせるかが重要となるだろう。そして、クラウド時代に入り得られるデータが爆発的に増えている状況にあっては、インフラやプラットホームをいかに安定的かつ効率的に使いこなせるかが、蓄積される莫大なデータを活用するためのカギとなる。
このように、クラウド時代になり、じつはプロセス中心からデータ中心のシステムへという変化が起こりつつあるのだ。このときに主役となるのは、まさにデータベース。クラウドコンピューティングを安価にかつ高い信頼性のもとに使いこなすためにも、企業の中で極めて重要となるデータの継続性を確保するためにも、そして莫大なデータから新たなビジネスチャンスの芽を見つけるためにも、データベースは極めて重要なシステム構成要素となるのである。
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谷川 耕一(タニカワ コウイチ)
EnterpriseZine/DB Online チーフキュレーターかつてAI、エキスパートシステムが流行っていたころに、開発エンジニアとしてIT業界に。その後UNIXの専門雑誌の編集者を経て、外資系ソフトウェアベンダーの製品マーケティング、広告、広報などの業務を経験。現在はフリーランスのITジャーナリスト...
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