EPM製品を単独ではなく、ERPの業務系のアプリケーションを一緒に提供
今回のSAP BusinessObjets EPMは、BusinessObjetsを買収した直後にSAPとして初めて出したバージョンは7.0、その後2009年秋にはSAPが独自に手を入れた7.5というバージョンの提供を開始している。その後は、BusinessObjets製品だけでなく、買収製品など各種機能を加えEPMのSuite化を行ってきた。とはいえSuite化と言いながらも、個々の機能や買収製品ごとにバージョン番号もバラバラで、ユーザーインターフェイスなどもそれぞれ独自のものだった。
今回は、一気に10まで数字を上げバージョン番号の統一を行い、ユーザーインターフェイスの統合化による生産性の向上、加えて機能間の融合による使い勝手の向上を図っているとのこと。さらに、ERP製品であるSAP Business Suiteとの連携も強化されており、EPMの製品からシームレスに業務アプリケーションの明細データにアクセス可能な機能も追加されている。
「SAPの強みは、EPMの製品を単独に提供するだけでなく実績のあるERPの業務系のアプリケーションを一緒に提供できるところにある」と語るのは、SAPジャパン ソリューション営業統括本部 経営管理ソリューション営業本部 本部長 IFRS支援室 室長の桐井健之氏。
また、「今回のSAP BusinessObjets EPM 10.0の特長は、統合性、網羅性、拡張性の3つをキーワードに開発が行われたことだ」と言うのは、SAPジャパン ソリューション統括本部 Finance LoB マネージャーの多川健太郎氏。
統合性は先に述べたようにユーザーインターフェイスの統合やERPとの融合であり、網羅性はEPMとしての機能の充実だけでなくすぐに活用できるテンプレート、シナリオを提供するということ。拡張性の部分は、モバイル環境への対応や、今後の方針として同社のインメモリ技術HANAとの融合も掲げられている。