SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けに、EnterpriseZine Day、Security Online Day、DataTechという、3つのイベントを開催しております。それぞれ編集部独自の切り口で、業界トレンドや最新事例を網羅。最新の動向を知ることができる場として、好評を得ています。

直近開催のイベントはこちら!

EnterpriseZine編集部ではイベントを随時開催しております

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けの講座「EnterpriseZine Academy」や、すべてのITパーソンに向けた「新エバンジェリスト養成講座」などの講座を企画しています。EnterpriseZine編集部ならではの切り口・企画・講師セレクトで、明日を担うIT人材の育成をミッションに展開しております。

お申し込み受付中!

DB Press

楽天証券がExadataを選んだ理由は「DWHアプライアンスではなくデータベース・マシンだから」


“データベースマシン”Exadataの採用

 今回楽天証券では、2台のExadataを用意している。1台のプライマリーサーバーでは、同じ筐体内でOracle Data Guardを用いて論理バックアップサーバーを構築している。これに加えてもう1台のExadataには、やはりOracle Data Guardを用いて物理バックアップサーバーを構築している。物理だけでなく論理バックアップサーバーを用意することで、「滅多に起こることのない、Oracleデータベースのデータ論理障害にも対応できる」と今井氏は言う。

 Exadataが2台というシンプルな構成でも、証券のシステムが要求する社会インフラとしての高可用性が、これで確保できたことになる。証券の基幹データベースという高信頼性を目的としたシステムにExadataが採用されたのは、日本オラクルが日頃から主張している「Exadataはデータウェアハウスアプライアンスではなく、データベース・マシンだ」ということを証明した事例と言えるだろう。とはいえ、今回のシステム構成は災害対策を考慮したものではない。東日本大震災を受け、今後広域災害への対応も検討しつつあるとのこと。その際には、今回用意している物理バックアップのサーバーを遠隔地に置くことで対応できそうだ、と今井氏はみている。

「プロジェクトとしてもチャレンジブルだった」
「プロジェクトとしてもチャレンジブルだった」

 「今回のシステムはExadataの速さの仕組みがどうだといったことよりも、証券のシステムを一気に移行したプロジェクトそのものが重要で、どうやって実現したかを理解して欲しい」と日本オラクル株式会社 専務執行役員 製品事業統括 兼 テクノロジー製品事業統括本部長 三澤智光氏は言う。証券のシステムのデータベースを一気に移行するという例は、これまでにはほとんどないとのこと。三澤氏によれば、プロジェクトとしてもかなりチャレンジブルなものだったと言う。

 Oracle Exadataについては、データウェアハウス用途であれば他社のアプライアンス製品と競合する部分もあるだろう。コストパフォーマンスなどの面で、優位性をもつ他社製品もあるかもしれない。とはいえ、今回のようなデータベース・マシンとしての用途となる、といまのところライバルとなる存在はいない。今回のような事例が数多く出てくると、ハイエンド領域でOracle Exadataの評価がより高まる可能性がありそうだ。Oracleにとっては、ベンダーの囲い込み色を出さずに、今回のような事例を数多く出していくことが、今後は重要となるだろう。

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • Twitter
  • Pocket
  • note
DB Press連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

谷川 耕一(タニカワ コウイチ)

EnterpriseZine/DB Online チーフキュレーターかつてAI、エキスパートシステムが流行っていたころに、開発エンジニアとしてIT業界に。その後UNIXの専門雑誌の編集者を経て、外資系ソフトウェアベンダーの製品マーケティング、広告、広報などの業務を経験。現在はフリーランスのITジャーナリスト...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

EnterpriseZine(エンタープライズジン)
https://enterprisezine.jp/article/detail/3307 2012/02/10 17:33

Job Board

AD

おすすめ

アクセスランキング

アクセスランキング

イベント

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けに、EnterpriseZine Day、Security Online Day、DataTechという、3つのイベントを開催しております。それぞれ編集部独自の切り口で、業界トレンドや最新事例を網羅。最新の動向を知ることができる場として、好評を得ています。

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング