日本のエンジニアはもっと世界とコミュニケーションを
Oaktableに日本から参加しているのは、残念ながら現在は小幡氏だけだ。「日本人がもっとOaktableに参加して欲しいという小幡の思いから、今回のイベントの企画が始まっています」と新久保氏。日本の技術者は優秀なのにもかかわらず、世界に出て行くことはほとんどない。そういった現状に、ジレンマもあったのかもしれない。そうであるならば、まずは日本で世界の著名なエンジニアと語り合える場を作る。それが、INSIGHT OUTというイベントの開催につながったのだ。現在、海外講師と日本人講師の割合は半々くらいの割合とのことだ。
世界でも著名な講師が集まるとはいえ、「今回のイベントの対象として、ハイレベルなところに絞ったわけではありません。コアな内容のセッションは多数ありますが、イントロダクション的な話もあります。基礎の基礎といったセッションはありませんが、一通り技術を身につけていて次のステップとして知りたいことが必ず用意されていると思います」と新久保氏は言う。
日本での開催はいわば、ホームグラウンドでの試合ということ。「ホームグラウンドなら強気に出て、セッションのあと飲みに行きませんかと声をかけることもできるかもしれません」と、セッション以外でのコミュニケーションの可能性もあるという。
数年前であれば、ユーザーはあまりきちんと方式設計などせず、「データベースはOracle」と決めることが多かったと新久保氏は振り返る。それがいまは、コンプライアンスからの要求などもあり、データベースを何にするかを議論することも増えているとのこと。議論の結果Oracleに落ち着くとしても、ベンダーやSIの言うことを鵜呑みにするのではなく、きちんと比較し評価を行わなければならない。そうなれば、各種データベースについてしっかりとした知識を持つ必要がある。そう考えると、INSIGHT OUTのようなベンダーニュートラルなカンファレンスをいま開催することは、極めて重要だと言えるだろう。
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INSIGHT OUT 2011