ユーザーの話を聞くべし
昨今、ビジネスにとってシステムは不可分な存在になったとよく言われる。おそらくそれは事実だろう。現在、筆者が執筆している国内サービスマネジメント市場の年次調査レポートでは、ビジネス部門を対象としたアンケート調査も実施している。その結果によれば、業務部門で働く人々の7割以上は「ITに対して投資すべき」と考えていることが分かった(図2)。コスト削減の圧力が強い時勢にあって、厳しい意見が寄せられることを予期していたが、回答者の多くはビジネスへの貢献や業務効率などを理由としてIT投資に対して非常にポジティブな印象を持っていることを示した。

また、ITに対する満足度を調査したところ、「システムの安定的稼働」に対しては高い評価が寄せられる一方で、「業務改善提案をしてくれない」「ITサービスの有効活用を教えてもらえていない」という声が多くあげられている。
ビジネスに対する影響が小さかった時代には、システムは独自のルールで運用されていてもそれほど問題はなかった。しかし、今やITシステムに対して、我々が考えている以上に利用者は大きな期待と関心を寄せている。だとすれば、彼らの思惑とかけ離れたところで運用を考えることはできない。
今やるべきことは非常にシンプルである。ぜひ業務・ビジネス部門に足を運んでITサービスを利用する方とコミュニケーションをとってもらいたい。そこから全てがスタートする。
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幕田 範之(マクタ ノリユキ)
株式会社テクノ・システム・リサーチ シニアアナリスト
2000年に株式会社テクノ・システム・リサーチに入社。サービスマネジメントソフトウェアやストレージ分野の市場を中心に調査分析を担当している。常に『なぜ』を意識しつつメーカー、SI/VAR、ユーザーの3方向から市場調査を行うことで立体的に市場を捉え、...※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です
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