データの管理・統合・分析の高機能化
初日のキーノートスピーチでは、ゼネラル・マネジャー のArvind Krishna、フェローのCurt Cotnerが登壇。IBMのインフォメーション・マネジメント事業の製品の機能強化面などを紹介した。
はじめに、Krishna氏は、z/OS向けのDB2、メインフレーム用のデータマネジメントシステムIMS、データ管理・分析製品群であるInfoSphere、そしてデータベースInformixなどのパフォーマンスの向上を説明。これらはすべてIBMのデータマネジメント製品としては、それなりの歴史を持つ枯れた技術でありながらも絶えず進化しており、システムレベルでの最適化を進めることで今なお高速化、高性能化していることを強調した。
そして昨年買収をおこなったNetezzaについて、1000件以上のインストールがおこなわれ、84%の顧客から好評の指示を得ていることを語った。
進化するデータベース、DB2はビッグデータの領域へ
「90年代以降、オブジェクトDB、XML DB、インメモリDBなどが登場し、そのたびに古いDBが無くなると言われたが、DBMSはこうした新しい技術を取り込み進化してきた。今、NoSQLなどにより非構造化データの蓄積・処理が飛躍的に向上した。DB2はこうした流れに対応し、RDBからビッグデータの時代の橋渡しをおこなう」
Curt Cotnerはこう語った上で、「DB2 Analytics Accelerator」を紹介した。
これは、NetezzaのテクノロジーとメインフレームSystem zを合体させ、トランザクション処理用のDB2をビッグデータ分析に対応させるというものである。これまでIBMが持っていた2つのDWHの製品群としてのハイエンドDWHアプライアンスであるNetezzaと、DB2ベースのアプライアンスサーバの連携ともいえる。
この「DB2 Analytics Accelerator」については、近く日本でも詳細が発表される予定だ。
またDB2の活用面での代表企業として、チェース・マンハッタン銀行の紹介をおこなうとともに、データ管理製品群であるInfoShere Information Server 8.7におけるNetezzaとの連携強化、マスターデータマネジメント(MDM)の50%速度向上について紹介された。
IBMはこうした製品群に加え、ストリーム分析(CEP)、Cognosなどのデータの可視化(BI)の各種製品群を連携させ、「データの管理・統合・分析」という新たなサプライチェーンの考え方で、ビッグデータ市場に挑んでいくようだ。
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