従来のストレージ管理方式の課題をASMが一掃
ASM以外のストレージ管理方式としては、以下が挙げられます。
- ファイルシステム
- rawデバイス
- 3rd Partyベンダー製Volume Manager
Oracle9i Database以前のリリースでは、ASMが提供されていなかったため、上記3つのストレージ管理方式から選択することが一般的でした。
それでは、それぞれについて見ていきましょう。
ファイルシステムを用いた場合、管理性が高く、コスト面でも有利ですが、例えばファイルキャッシュとDatabase Buffer Cacheの関係、ファイルシステムのブロックの偏りなどによって、パフォーマンスが最適化されない、といった課題がありました。
rawデバイスを用いた場合、パフォーマンスには最も優れる一方で、ボリュームの管理が煩雑になる、動的なボリュームの成長に対応できない、といった課題がありました。
3rd Partyベンダー製Volume Managerを用いる場合は、rawデバイスの管理性問題は解消される一方で、Volume Managerの追加費用がかかる、設計・セットアップの費用がかかる、といった別の課題が挙がる場合がありました。
これらの課題を一気に解決するソリューションとして、Oracle Databaseに最適なストレージ管理機能を提供するASMが登場しました。
ASMを用いることにより、"全てのディスクのIOPSをまんべんなく使う"ことができ、ストレージ性能の最適化が行われます。
また、構成についてはASMCAユーティリティを用いることで、DBCAライクな設定・構築が行うことができます。定常的な管理については、asmcmdコマンドを用いることで、Unix/Linuxライクな操作が行えます。
asmcmdコマンドの使用例
さらにOracle Enterprise Mangerを用いることで、GUIベースの管理を行うことも可能です。
このようにASMは、最適なパフォーマンスが得られることに加え、DB管理者/システム管理者も違和感なく容易に使うことができるというメリットがあります。
「エンジニアから見たOracle Database Applianceの特徴とは?」で紹介した、Oracle Database Applianceの構成としてもASMが組み込まれています。
最近のOracle Database管理者にとって、ASMはいまや習得必須のテクノロジーであり、ストレージ管理の"常識"となった、と言えるでしょう。
***
1月はどんな記事が人気になるでしょうか?
次回も、皆様が"使える"ネタを提供していきたいと思います。
▼「好奇心が、エンジニア人生を豊かにする。」 oracletech.jp