データマートが肥大化して本来の目的を果たせなくなっている
「他社データベースからTeradataへ移行する理由には、ビジネスと技術という2つの側面があります」―米国Teradataのマイグレーション・プログラム ディレクター マーク・シャイマン氏によれば、ビジネス側面では基幹系システムから売り上げなどのレポートを提供するだけではもはや足りず、高度な分析が行える環境が求められており、それを実現するには高度で複雑化した検索が行えなければならず、他社の製品ではそれが難しくなっているという。
そして技術の側面では、企業は増え続けるデータをどう管理すればいいかという課題を抱えており、将来ニーズにも応えられるような性能と拡張性を重視した際に、Teradataが選択されることが多いようだ。
「ビッグデータは、ただ格納できればいいというものではありません」(シャイマン氏)
格納したビッグデータをきちんと扱えなければ意味がない。そのためにはかなりの高性能が必要だ。ビッグデータを扱える十分な性能があるのがTeradataであり、だからこそ顧客はTeradataに移行するのだと主張する。
シャイマン氏は、企業が現実的に直面している課題として、「肥大化しつつあるデータマートの存在」を挙げる。データマートは、目的別や部門別など、ユーザーが使いやすいようにデータウェアハウスからサイズの小さいサブセットを切り出したものだ。ところが、データマートを使い続けているうちに、次第にデータマートが肥大化してしまい、環境も複雑化していると指摘する。
「こうなると、本来のデータマートの目的から逸脱したものとなっています。そのためTeradataではデータマートの統合を提案し、これを他社製品からの、移行ソリューションの1つの柱としています」(シャイマン氏)
データマートを統合することで、ストレージやサーバーの数を減らすことができる。さらに、ETLやBIツールなどのソフトウェアライセンスも削減する。さらに、ばらばらのデータマートでは、データの整合性がとれないなどの問題も発生するが、統合により一元的に管理できるようになれば情報の質の改善も見込める。そして、アクセス環境もシングルプラットフォームとなるので、シンプルとなり管理性も向上する。
とはいえ、データマートを統合するのならば、データウェアハウスそのものを一気に作り直したほうがいいのではとも思えるが…
「一気にエンタープライズデータウェアハウスを構築し直すとなると、アプリケーションもすべて作り直すことになり、大きな手間と時間、結果的には大きなコストがかかります。データマートの統合ならば、90%のアプリケーションはすでにあるものをそのまま利用でき、新規で追加するものはせいぜい10%程度で済み、統合のためのコストも小さく、時間的にも早く実現できるのです」(シャイマン氏)