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週刊DBオンライン 谷川耕一

Mr. HANAの馬場さんが元気なだけじゃない、SAPのビジネスが好調な理由

IT業界は、全体を眺めるとまだまだ決して景気がいいとは感じない。むしろ、厳しい声のほうが多く聞こえるはず。とはいえ、いくつかのベンダーは相変わらず好調なようだ。SAPも、そんな好調なベンダーの1つだろう。今週行われた2012年上半期の経過と今後についての発表会で、SAPジャパン社長の安斎氏はソフトウェア関連が25%増で6期連続2桁成長中と報告した。そして、本格的にSybaseのビジネスを統合化した結果、上半期のデータベースソフトウェア売上も74%増に。「データベースの領域は、もともと大きなポーションではないというのはあるけれど、かなり順調に伸びている」とのことだ。

2012年上半期のSAPはHANAとモバイルでかなり元気

「ERP関連のビジネスも2桁成長中」と語る安斎氏
「ERP関連のビジネスも2桁成長中」と語る安斎氏

 データベースに加え、同社でもう1つの注力領域となっているのがモバイル関連のソリューション。ワールドワイドでは10億人のユーザーにSAPのソリューションの提供を目標にしており、それを担うのがモバイル関連のソリューションだ。こちらも日本において、5.3倍も伸びているとのことだ。

 さらに、もともとの本業であるERP関連のビジネスも2桁成長中とのこと。

 「ERPはもう終わりじゃないかと言われることもありますが、まだまだ成長している。ERPによる標準化、簡素化、これにHANAをはじめとするデータベーステクノロジーのスピードをプラスすることで、企業のグローバリゼーションを後押しする」(安斎氏)

 この場合のグローバリゼーションとは、たんに企業が海外へ進出するということだけでない。その企業が海外を含めた市場で、ビジネスにおける競争力の獲得を支援するということだ。

 データベースビジネスの補足としては、Sybaseの本格融合後、Sybase ASE、Sybase IQといった製品についてもSAPの営業担当が勉強しスキルをつけ、顧客に提案できるようになってきた。そのために、ビジネス機会が増加しているとのこと。

 「Sybase ASEは製品としても素晴らしいもの。今後は、SAP ERPとのさらに親和性を高めていくことになり、他のデータベース製品よりもSybase ASEのほうがはるかにいいというよう状況になっていくだろう」(安斎氏)

 SAP HANA、Sybase ASE、Sybase IQは、技術的にも、顧客の投資的にもシームレスにしていく。これは技術的に融合するか、あるいはよりシームレスに連携できるようにすること。投資を無駄にしないというのは、現時点でHANAなりSybase ASEなりに投資したものは、将来にわたりきちんとそれを継承できるようにするということだ。

 安斎氏は、2012年の好調だった上半期路線を、下半期に向けて大きく変えるつもりはないという。

 「HANAについては年明けに大きな発表ができると思っています。SAPのERPをHANAで動かすという発表です」(安斎氏)

 ERPをインメモリデータベースのHANAで動かすというのは、情報系のシステムとは違い信頼性の確保などの面でそれなりに大きなリスクもある。それでもこれをやる意義としては、情報系と期間系は本来は1つだったが、それがコンピュータの性能やコストの制約で仕方がなく別々に分けたという過去があり、「ERP on HANA」の取り組みはむしろ原点回帰するものだとのこと。

 これに加えて、「データベースを1つにすることで、企業の目指すべきリアルタイム経営へとつなげていくのだ」と説明するのは、DBオンラインでもおなじみ、Mr. HANAこと馬場氏だ。

 引き続き、SAPではHANAファンをどんどん増やしていくとのこと。そのためには、企業への出資も含めた活動をしていくのだとか。これにはちょっと驚いた。ならばHANAファンになってみようかという、パートナー企業も出てくるのでは。DBオンラインを始めた1年ちょっと前には、SAPのことをこんなに取り上げるとは思ってもいなかった。今後もSAPの動きについては、DBオンラインとしても目が離せないなと思った次第だ。

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データベースの「コスト」はいろいろなところからやって来るという話

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谷川 耕一(タニカワ コウイチ)

EnterpriseZine/DB Online チーフキュレーターかつてAI、エキスパートシステムが流行っていたころに、開発エンジニアとしてIT業界に。その後UNIXの専門雑誌の編集者を経て、外資系ソフトウェアベンダーの製品マーケティング、広告、広報などの業務を経験。現在はフリーランスのITジャーナリスト...

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