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ビッグデータ分析ビジネス―その可能性と課題

アドテクノロジーの進化とビッグデータ活用―アドエクスチェンジ、RTB、DSP

昨今「ビッグデータ」の活用がしきりに叫ばれているが、我々インターネット広告業界においては、そのマーケティング手法の進歩の中で、すでに多くの企業が活用してきた実践的な技術である。インターネットユーザーの行動履歴や閲覧履歴のログデータなど、膨大なデータを利用したデータマイニングにより導き出される結果が、サービス競争優位性や売上に大きな影響もたらすと言っても過言ではない。アドテクノロジーの進化に伴い、「ビッグデータ」の活用はデータ駆動型企業において必須不可欠な要素となっている。本稿では、その中でも特に成長著しいディスプレイ広告の新しい潮流について解説する。

インターネット広告の新しい潮流

 「ビッグデータ」の活用が企業の競争力を左右する時代になってきた。私が代表を務める株式会社マイクロアドプラスの親会社、株式会社マイクロアドでも、テラバイト規模に及ぶ膨大なユーザーの行動履歴や閲覧履歴のログデータなどを分析し、ユーザーの興味や関心を推測し、最適な広告配信の仕組みを提供している。

 そもそもインターネット広告は1994年頃より始まり、今日に至るまで様々な配信手法が構築されてきた。特にGoogleとYahoo!による検索エンジン広告は、その費用対効果の高さからインターネット広告市場において黎明期より右肩上がりで拡大し続けてきた。結果、インターネット上に広告出稿を検討する広告主の間ではもはや必須ともいえる広告手法となっている。

 これだけ広告手法として浸透した現在でも、検索エンジン広告の手法や運用施策などには、拡大と改善の余地はあるのだが、広告主の間では、検索エンジン広告に次ぐ、新たな広告手法の活用が模索されてきた。そんな中、2000年初頭より検索エンジン広告の次に注目を浴びはじめたのが、ディスプレイ広告(バナー広告)で構築されたアドネットワークであった。

多数のメディアの集合体アドネットワーク

 元々マイクロアドは、複数のWebサイトの広告枠を束ねてネットワークを形成し、広告を独自の分析システムによりマッチングさせ、Webサイト利用者に最適な広告を配信する「アドネットワーク」を事業の中核とし多くの広告主とインターネットメディアを中立的に繋ぐ役割を担ってきた。

 マイクロアドが構築するアドネットワークに参加している広告主の数は年間2500社を超え、広告配信先のインターネットメディアは、ニュース系、エンターテインメント系サイトなど1万サイト以上に及び、1日の広告表示回数は4億回を超える。

 当時、単一のインターネットメディアへのディスプレイ広告の出稿から、アドネットワークへのディスプレイ広告の出稿にシフトした背景には、アドネットワークが集合体としてのユニークユーザー数の規模、そして広告到達率という項目から優れていた点とユニークユーザー数が多ければ、当然広告を出稿した際に多くの受け手に広告を届けることができ、ターゲティングやセグメントといった様々な施策が可能となる点であった。

 2010年頃までアドネットワークの登場により成長を続けたディスプレイ広告市場だったがその成長と同時に課題も抱えていくことになる。多くのアドネットワークが市場に参画することで、規定が違う複数出稿先ごとの広告配信運用など、広告効果を向上させるための効果検証サイクルを回すことが難しくなり、広告出稿の統合的なマネジメント手法に課題を抱えていた。

次のページ
アドテクノロジーの進化によるディスプレイ広告の変革

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この記事の著者

西山 明紀(ニシヤマ アキノリ)

株式会社マイクロアドプラス 代表取締役社長大学卒業後、ベンチャー企業にてWEBデザイナー、システム設計等に携わったのち、株式会社サイバーエージェントに入社。Amebaをはじめとした広告企画販売に従事。株式会社マイクロアドへ出向後は、セールスマネージャーとして大手総合広告代理店やインターネット専業代理店を担当...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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https://enterprisezine.jp/article/detail/4205 2012/10/22 07:00

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