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Dreamforce 2012、日本からの参加者はこのイベントをどう見たのか

おおいに盛り上がったSalesforce.comの年次イベント、Dreamforce 2012。当然ながら日本からも数多くの参加者があった。200名を越えるユーザー、パートナーが参加し、日本からの参加者交流の場として開催された「Japan Night」というイベントでは、歩くのも困難なくらいの人々がつどっていた。ところで、通常の海外イベントのレポート記事は、主催者、今回ならばSalesforce.comがどういうメッセージをどのように発信したかをレポートする。そういったレポート記事は、各種メディアから複数発信されるが、内容的にはほぼ同じようなものになってしまうのが常。これでは、あまり面白味がない。ならば、せっかく日本からたくさんの参加者があったのだから、彼らが今回のイベントをどのように受け止めたかを伝えたいと思う。

DreamforceはITのイベントではなくビジネスのイベントだ

株式会社チームスピリット 代表取締役 荻島浩司氏
株式会社チームスピリット 代表取締役 荻島浩司氏

 まず話を聞いたのは、株式会社チームスピリットの代表取締役 荻島浩司氏。チームスピリットは、社名と同じ「チームスピリット」という、勤怠管理、プロジェクト原価管理、行動管理、経費精算などを行うアプリケーションをSalesforce.comのforce.com上に構築し提供している会社だ。昨年にはSalesforce.comからの出資も受け、いま国内でも注目のSalesforce.comパートナー企業の1つ。たんにそれぞれの機能をクラウド化しただけでなく、それぞれを連携させ社員のコラボレーション環境を提供することで、チーム力向上を目指すのがチームスピリットの特長だ。

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Q:今回のDreamforceの印象は?

 荻島:とにかく、規模が大きくなったと感じました。昨年と比べても、かなり勢いが増していると思います。それから、今回は事例中心のプレゼンテーションが多かったのが印象的でした。昨年までは「打倒、偽クラウド」といった話題や、ソーシャルクラウドやクラウドプラットフォームについてのコンセプトの説明もありました。しかし、今年は新製品や新サービスの中身を細かく説明することはなく、事例を中心に解説。これから世の中がクラウドになるよではなく、既にこれだけクラウドで成功できるよという、Salesforce.comの自信を示す場となっていたのではないでしょうか。

Q:今回のDreamforceでは、シングルサインオンを実現するSalesforce Identityや、社員のパフォーマンス管理を行うWork.com、さらにはモバイル対応を強化するSalesforce Touchなどさまざまなサービスの発表がありました。この中で、荻島さんが注目するのはどのようなものですか?

 荻島:私たちのビジネスに直接関係してきそうなのは、Work.comですね。Salesforce.comのサービスは、最初はSFAのところから始まり、次にプラットフォームを提供、そして今度は人事管理などのアプリケーションの領域にも発展してきたわけです。Work.comは、旧来の人事管理のためのアプリケーションではありませんが、それに密接に関連するパフォーマンスマネージメントという仕組みのようです。そういったところにデータを渡して連携できる可能性がでてきたというのは、チームスピリットにとっては魅力的であり、ビジネスが広がりそうだなと感じました。

Q:その他に今回参加して刺激を受けたことはありますか?

 荻島:私は今回、パートナーのエグゼクティブ向けのセッションにも参加させてもらいました。その中で、クラウド導入のコンサルティングサービスで急成長している、アピリオ社の創立者の話を聞く機会がありました。彼が言うには、既にITの世界が変わってしまったのだから、これからはクラウドをやるしかないよねとのこと。そのためには、やり方自体を変えなければならないですねという話がありました。

 アピリオは、6年前に会社を立ち上げ、現在までに社員が500人に増えるというように急激に拡大している会社です。クラウドに関連するITビジネスでは、こういうスピード感で物事が進むのだという話を聞けたことも収穫でした。こういう事例の話を聞けるのは、米国がクラウドの本場だからということはないと思います。日本でも確実にクラウドがくるなというのを、改めて実感するところです。

 もう1つ、元米国国務長官のコリン・パウエル氏と米GEのジェフ・イメルト会長兼CEOが話をするセッションがありました。あの内容は、ITについて語っていたわけではありません。そういったところからも感じたのですが、今回のDreamforceは既にITのイベントではなくビジネスのイベントなんだなぁと。日本ではコンシューマ系のサービス企業のイベントなどで、ビジネスがテーマになることがあります。しかし、通常はクラウドをキーワードにすると、まだまだテクノロジーの話題となることが多い。我々も、もっとビジネスの話をしなければいけないと思いました。

 そして、クラウドというものがビジネスを変えるためのものだなと感じています。言い換えれば、クラウドを起点に、新しいビジネスが始まるということでしょうか。これは、今回のイベントに参加していない人に言葉で伝えるのは難しいかもしれませんが、クラウドは値段が安いとかどこでも使えるだけでなく、ビジネスが変わるきっかけになるということだと思います。

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 私自身、最近は既存のオンプレミスのアプリケーションをクラウド化する第一次クラウドブームが終わり、クラウド上のアプリケーションでまったく新しい価値を生み出そうとする次なる段階に入ったように感じていた。それが、Salesforce.comであればChatterや、今回のDreamforceでも盛んにメッセージアウトされていた「ソーシャル」というキーワードで実現されつつある世界観だろう。クラウドのサービスを使って安価に業務プロセスを効率化できるだけでなく、クラウド上のサービスを活用することでコミュニケーションを活性化しチームワークを向上させる。そういう意味合いからも、チームスピリットの方向性はSalesforce.comのものとも一致するようだ。

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Salesforce.comがITの仕組みを変えつつある

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この記事の著者

谷川 耕一(タニカワ コウイチ)

EnterpriseZine/DB Online チーフキュレーターかつてAI、エキスパートシステムが流行っていたころに、開発エンジニアとしてIT業界に。その後UNIXの専門雑誌の編集者を経て、外資系ソフトウェアベンダーの製品マーケティング、広告、広報などの業務を経験。現在はフリーランスのITジャーナリスト...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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