Business Model Generationコアメンバー5人のうちの1人、YvesPiegeur氏が10月下旬に来日した。更に、コアメンバー5人のうちの1人、筑波大学教授TimClark氏と、筑波大学茗荷谷キャンパスで10月23日にインタビューを実施した。『ビジネスモデル・ジェネレーション』と『ビジネスモデルYOU』に関して、原著者ならではのお話を解説いただけました。今回は、『ビジネスモデル・ジェネレーション』の誕生の背景を中心にお届けいたします。

2012年6月11日に実施された「ビズジェネカンファレンス2012」のカンファレンスレポート「経営視点のビジネスモデル・ジェネレーション」(PDF版)を、アンケートにお答え頂いた方全員にもれなくプレゼントいたします。今回のインタビューでも協力いただいたTimClark教授の講演録も収録しております。
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ビジネスモデルキャンバスの誕生

―『ビジネスモデル・ジェネレーション』は原著の制作過程も、今までとは違う制作過程を経たユニークな成り立ちですよね。その中でも中核をなす「キャンバス」はどのような経緯で作成されたのでしょうか?

Yves氏:90年代のドットコムブームの際、多くのインターネットビジネスの起業を目の当たりにしました。当時、私はエンジニアリングスクールで教えていましたが、ビジネスに特化したコースは存在しておらず、ビジネスプランを書こうとする学生から多くの相談を受けました。具体的にどうすればよいか、アドバイスを行うために学生たちに質問をするのですが、ほんとどのケースで同じような質問を繰り返していることに気が付いたのです。その質問を集約していったところ、9つの同じような要素にまとめることができました。これが、現在のキャンバスの基礎となりました。
―『ビジネスモデル・ジェネレーション』は、どのように構想されたのでしょうか?
Yves氏:ビジネスモデルという言葉は、非常にもてはやされていましたが、eビジネスを指す言葉としてとらえられており、きちんとしたモデルが定義されていたわけではなく、標準化されたものもありませんでした。そこで、学生だったアレックス(現在のBusiness Model Generationコアメンバー5人のうちの1人)に「ビジネスモデルを研究してみたらどうか?」とアドバイスしました。
ビジネスモデルの概念を研究してみると、関係性が複雑でいろいろな考え方がありました。アレックスの博士号の研究は、こうした研究内容がテーマとなったのです。その論文は学術ジャーナルなどにも出版されました。振り返ると、これが『ビジネスモデル・ジェネレーション』の構想のスタートだったことになります。

Tim氏:私も日本で学生を教えワークショップを行いますが、「ビジネスモデル」の概念がeビジネスの収益構造だと思っている人が、まだまだ多いと感じています。『ビジネスモデル・ジェネレーション』のメソッドに出会ったとき、非常に感銘を受けました。ぜひ、多くの組織の人にこのメソッドを理解していただきたいとコアメンバーとして活動してきました。
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今津 美樹(イマヅ ミキ)
今津美樹(いまづ・みき) ウィンドゥース 代表取締役 ITアナリスト 米国系IT企業にてマーケティングスペシャリストとしての長年の実績と20カ国以上におよぶグローバルでの経験による、マーケティングアウトソーサー ウィンドゥースの代表を務める。ITを活用したマーケティングに関する講...
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