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Why Oracle?

Oracle Databaseは常にエンジニアの細かい期待にも答え、ときに予想を上回る進化を見せてくれます-新日鉄住金ソリューションズ、瀧本氏の場合


新日鉄住金ソリューションズ ITインフラソリューション事業本部 ITエンジニアリング事業部 ITアーキテクティンググループ シニア・マネジャーの瀧本秀典氏は、同社の中でもOracleに関する高いスキルを持っているエンジニアの1人。彼がOracle Databaseに最初に関わったのは、いまから10年ほど前、Oracleのバージョンは8の頃だ。

Oracle Databaseは選べるところがいい

瀧本氏
瀧本氏

 「8に比べると、10g、11gは大きく進化しています。昔はデータベースエンジンそのものの強さが売りでしたが、いまではそれに加え数多くの機能があります」

 8の頃は、エンジニアはデータベースそのものを作ることに注力すればよかった。いまは、Oracle Databaseの数多くある機能から、取捨選択していかに組み合わせるのがいいのかに頭を使う。何を入れて何を外すか。外すのも機能をシェイプアップする上では重要で、このようにエンジニアが選べるところが、Oracleのいいところだという。

 「最近では自動化も進んでいます。とはいえエンジニアが判断し、いろいろ選べるのは製品コンセプトなんだろうなとも思います。もちろん自動化に任せ、あとはアプリケーションに集中するのもありでしょう。しかし、ミッションクリティカルでシビアな要求がある場合には、設計時からエンジニアが機能や構成を作り込めるのは、Oracleのいいところだと思います」(瀧本氏)

 エンジニアが作り込んで使える。それがあるからこそ、エンタープライズ領域で評価される。自動化に力は入れているが、その自動化が何をしているか分からないものではない。そこがブラックボックスでは、エンタープライズでは使えないのだ。

 「新日鉄住金ソリューションズでは、自動化で簡単に済ませたい顧客よりもピーキーなチューニングを施し、きっちりとエンジニアがついて構築、運用をしたい顧客が多いです。こういった用途には、まさにOracle Databaseはマッチしています」

バックアップサイトでもデータベースが常に動いているメリット

 瀧本氏もまた、Oracle DatabaseならばEnterprise Editionをと薦める。

 「OLTP系のシステムであれば、Standard Editionをいくつか並べてもなんとかなる場合がありますが、高速なバッチ処理や高度なデータ分析などを行いたければ、やはりEnterprise Editionを選択することになります」

 Real Application Clustersを最大限活用するにしてもEnterprise Editionだし、さらにはOracle Diagnostic PackやTuning Packを使えるのもいい。Oracle Databaseは、Enterprise EditionこそがまさにOracleって感じなのだという。

 とはいえ、オープンソースのデータベースを検討するような場合には、Standard EditionやStandard Edition Oneといった選択もあり得る。ようは、自分たちが実現したいことに、その製品がマッチしているかをきちんと見極められるか。見極めた上で何を選ぶのか、その際にもOracleにはさまざまな選択肢があるのがいいとのこと。

 そして、Enterprise Editionを薦める瀧本氏のお気に入り機能は、Real Application ClustersとData Guardとのこと。東日本大震災以降、顧客のデータプロテクションに対する意識はかなり高まっている。その際、1つのサイト内での可用性であれば、Real Application Clusterがあれば十分。しかし、災害対策となればData Guardがお薦めだ。

 「災害対策について独自調査をしたのですが、9割くらいのユーザーは何らかの形で遠隔地バックアップを行っていました。ディザスタリカバリーサイトを持っている企業も3割くらいあったのです。とはいえ、それらは必ずしも災害時にきちんと機能するとは言えません」

 バックアップは、何らかのでもあったほうが安心と言う程度のものが多く、実際に災害が発生した際にバックアップをどう戻せばいいかの手順まで整備されている例は少なかった。たとえば、データベースのバックアップデータとアプリケーションの設定ファイルだけを、遠隔地にNASの機能でコピーしている。これだけでは、いざシステムとして戻す際には相当苦労しそう、という例が見受けられたのだ。

 「災害対策は、運用としてどういうルールを作っておくかが重要です。Data Guardは、バックアップサイトでOracle Databaseが常に動いています。なので、本番サイトにトラブルがあった際にも、新たにバックアップサイトを特別な手順で動かすのではなく、すでにシステムは動いている。これだけで災害対策の要件が満たされるわけではありませんが、システムが動いているというのは大きな違いになります。」

 最終的には、システムだけ動いていても災害対策にはならない。その周りにある物流であるとか、作業すべき人の確保であるとかまで含め考えなければ意味がない。とはいえ、システムが動いていることを前提に、その周辺の仕組みを考えられるのは、現実的な災害対策を構築する上では大きな差になるだろう。また、このバックアップサイトが動いているというのは、日常的な運用でリソースを無駄にしない観点からも評価されやすい。

 もう1つOracleには、災害対策にも利用される柔軟なレプリケーション機能のGolden Gateもある。Golden Gateは、Oracleのバージョンが異なる、使っているのがStandard Editionといった場合にも利用できる。可用性を確保するためにも利用できるが、Real Application ClustersやData GuardがOracle Databaseにあらかじめ組み込まれている機能なのに対し、Golden Gateは別製品として存在しているので高可用性を確保しようとすればそれなりにテクニックが必要だ。なので、本格的な災害対策を目指すならば、データベースのアップグレードなりをし、Data Guardを提案することもあるとか。

 Golden Gateは災害対策以外にも、システムの統合や集約などでも利用される。データを別のシステムと連携する仕組み1つとっても、このGolden Gate以外にも、アドバンスト・レプリケーション、データベース・リンク、あるいはexport/importを使うなどさまざまな方法が用意されている。どれをどういうときに使えばいいのか、それぞれのメリット、デメリットはどこにあるのか。そういったことを十分に考慮し選択できるのが、新日鉄住金ソリューションズのOracleエンジニアの強みだという。

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この記事の著者

谷川 耕一(タニカワ コウイチ)

EnterpriseZine/DB Online チーフキュレーターかつてAI、エキスパートシステムが流行っていたころに、開発エンジニアとしてIT業界に。その後UNIXの専門雑誌の編集者を経て、外資系ソフトウェアベンダーの製品マーケティング、広告、広報などの業務を経験。現在はフリーランスのITジャーナリスト...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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