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日本企業の進化論-激動の時代に生き残るための選択肢

日本企業の進化における「コンサルティング・ファーム」の活用法

(第24回)

今回はいわゆるコンサルティング会社に焦点を当てて、日本企業再生を模索するものにとっての存在価値や活用の際の勘所を考えてみたいと思います。コンサル業界の成り立ちや概況、各社の特徴などは、それについて触れられている書籍やネット上の記事をご参照いただくとして、ここでは「彼らとどう付き合うことが、日本企業にとってプラスとなるのか」、その示唆を少しでもご提示できれば幸いです。著者自身コンサルティング業界に身を置く者ではありますが、ここでは極力ニュートラルな立場で筆を進めていきたいと思います。今までの連載はこちら。

コンサルティング会社を使う意味

 比較的規模の大きな企業に勤められる読者の方ならば、社内にコンサルティング会社が入り込んで何かをしているらしい、という噂を耳にされたこともおありかと思います。中には、実際にカウンターパートとして彼らを使ったご経験をお持ちの方もいらっしゃるでしょう。

 一般論として、コンサルティング会社は「経営や特定の分野における詳しい知見や豊富な経験を持ち、それらを基に企業の特に経営層に向けたアドバイスを提供する」のが生業であると認識されています。

 ただしご存じのように、その中には戦略系ファーム、IT系ファーム、組織人事系、会計系、総合系、はたまた大企業向けや中小企業向けなど、様々な種類が存在し、法的な裏付けも必要とされない業種であるため、各社のビジネスモデルやサービス提供先である企業もまた多岐に渡ります。

 少々とげのある言い方ではありますが、実態としてはコンサルティング業と言うよりは「安価なセミナーやノウハウ本を営業マンが売り歩くだけのビジネスモデル」である“コンサルティング会社”も存在し、ただでさえ胡散臭いコンサルティング会社の存在を一層、とらえにくくしています。

 ここではコンサルティング会社を「経営やITに関するアドバイスや実行を支援することを事業の中心に据える企業」と定義し、議論を進めたいと思いますが、そんなコンサルティング会社を企業が使う目的・意味は何なのでしょうか。いくつかのパターンに整理することができると思いますので、具体的な事例になぞらえて以下に示します。

1:自社にないノウハウを活用したい場合

 ある消費財メーカーがアフリカ市場への本格的な進出を目指しており、社内で検討を重ねたところ、対象プロダクトの海外進出についてもアフリカ市場についても経験豊富な人間がおらず、その領域に詳しい外部の会社を活用せざるを得ない。

2:自社にノウハウは一応あるが、外部の会社を使った方が速い場合

 海外マーケット進出経験豊富な自社の人員は存在し、本プロジェクトでも活用はするが、海外マーケットの調査や事業化に向けたマイルストン設計、その他事業推進時に必要となる網羅的な論点の整理など、ビジネスを進めていくうえで必要なパワーがどうしても不足しており、外部の会社を活用せざるを得ない。

3:これまでの検討結果を再検証したい、コンサル会社のお墨付きを得たい場合

 ある程度対象事業の検討も進んでおり、社内的な合意もそれなりに取れている。しかし、第三者の目線から再検証することでリスクを最小化し当該事業の成功確度を高めたい。また、社内調整をさらに進める際に「コンサル会社もこれで良いと言っている」と添えることにより論拠を補強したい。

4:特定のテーマについて自社のナレッジを高めたい、勉強したい場合

 ある企業の経営企画部長が常日頃から関心を抱いていた特定のテーマ。特にこれと言って喫緊で検討を強化する必要はないが、予算も少し余っているのでコンサル会社を使って自分の勉強のためにも情報を整理しておきたい。

 我々コンサルティング会社がクライアント企業からご依頼を受ける場合、明示的には一つ一つ議論しませんが、上記4つの理由のいずれか、または複数が背景には存在します。コンサルタントにとって嬉しいのはやはり1か2です。クライアント企業を変えることのできる可能性が決して高くはない4等の場合、モチベーションの維持に苦労するコンサルタントも存在します。

次のページ
コンサル会社活用時の“ありがちな失敗”

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この記事の著者

ベイカレント・コンサルティング 関口 諭(セキグチ サトシ)

株式会社会社ベイカレント・コンサルティング執行役員。   慶應義塾大学にて政治学修了。 日立製作所、マッキンゼーを経て、現職。ハイテク・通信など幅広い業種で事業戦略・立上げ、IT戦略などをご支援。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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https://enterprisezine.jp/article/detail/4958 2013/07/16 08:00

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