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OOWで富士通が語った「ビッグデータ」の未来―Oracle OpenWorld San Francisco 2013


2013年9月22日、恒例のOracle年次イベント「Oracle OpenWorld San Francisco 2013」が開催された。今年も、JavaOneとの同時開催で、サンフランシスコの街中がこれらのカンファレンスイベントに参加する人であふれている。事前登録者数は世界145カ国から60,000人を超えた。これは、昨年から1万人あまりの増加となっており、このイベントがさらに業界で関心を集めている証だろう。このOracle OpenWorldのタイミングで毎年、多くの製品、サービスが新たに発表されるが、今回はそれに加え多くのユーザー事例が紹介され「カスタマーイベント」としての色合いも濃くなっている。

ビッグデータ分析で勝利するということ

富士通 執行役員 常務の豊木則行氏
富士通 執行役員 常務
豊木則行氏

 イベント初日の22日日曜日の夕方、基調講演のステージに最初に登場したのは、富士通 執行役員 常務の豊木則行氏だ。

 「企業は競争するだけでなく、それ以上に伸びさらに突出しなければなりません」と語る豊木氏。競争に勝ちさらに成長するには、ビッグデータの活用が必要だ。たとえば、企業が所有する顧客データをプロフィールから絞り込み、それに株価、給与の伸び率など公開されている外部データを合わせ分析する。さらに、ソーシャルネットワークのデータなどとともに分析を行い、絞り込んだ顧客がどのような反応を示すかを予測する。

 そこから得られる分析結果は、ビジネスの将来に極めて重要な知見となる。

 「ビッグデータを分析することで、企業は理想的な顧客ターゲットに100%近づけるようになります。そうすれば、製品を生産する前から顧客の動向を把握でき、顧客の望む正しい仕様でものを作り、それを必要な数だけしか生産しない。生産のタイミングも遅れることがない、という理想的な状況が生まれます」(豊木氏)

 ここで豊木氏は将棋の例を用い、大量データの分析で「勝利」できることを紹介した。将棋は、持ち時間に制限があり複雑で、人間に勝利することはコンピュータにとってかなりチャレンジングなゲームだ。これに、将棋の伝統的なスキルがない人がプログラムを組みプロ棋士に挑戦、勝利を収めているのだ。その方法は、過去の50万の対戦データを分析し、勝つために必要な「王」を含む3つの駒からなる3角形に着目、そのデータを分析した。この「ウィニングトライアングル」の分析から、勝つ確率が最も高い指し手を導き出し、それでコンピュータが勝利したのだ。

 「ビジネスにおいても勝利するゴールは、将棋と同じです。より多様なデータの中から、勝つパターンを見つける必要があります」(豊木氏)

 現状、企業が分析すべきデータは、かなり多様性に富んでおりより巨大化もしている。それらを効率的に扱うのがビッグデータシステムであり、それは今後さらに大きなデータに対応しなけれなならない。

 つまりビッグデータシステムは、より高性能で多様性に富む膨大なデータを扱え、拡張性にも優れていないとだめだ。そして、従来と異なるデータが出てきても、それに柔軟に対応しなければならない。それができるのが、豊木氏が「これはビッグデータに最適なマシン」と胸を張る、富士通のUNIXサーバー「SPARC M10」だ。

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発売半年で数々のベンチマーク記録を塗り替えたSPARC M10の実力

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この記事の著者

谷川 耕一(タニカワ コウイチ)

EnterpriseZine/DB Online チーフキュレーターかつてAI、エキスパートシステムが流行っていたころに、開発エンジニアとしてIT業界に。その後UNIXの専門雑誌の編集者を経て、外資系ソフトウェアベンダーの製品マーケティング、広告、広報などの業務を経験。現在はフリーランスのITジャーナリスト...

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