クリエイティビティはルールからは生まれない-ルールではなくアトバイス
ここからは、52のポンの中でわたしが気に入ったものをいくつか。
職場を広告にしてしまおう(Make Your Workplace an Advertisement for Your Company)
「アタリがスティーブ・ジョブズを見つけたのではない。彼が見つけやすいような会社にしていたのだ。良い会社とは、いつでも自分自身を宣伝している。」という印象深い文から始まっている1個目のポンです。
アタリの自由なオフィスの雰囲気、金曜日に開催される誰もが参加できるパーティー、クリエイティブな企業だと思わせるような会社名(例えば「アップル」)、そして普通の会社ではあまり見ないような奇妙な肩書き。
そのような組織文化を作っていくひとつひとつの試みが、職場自体が広告となってしまうことにつながっていくのです。
寝よう(Go to Sleep)
「えっ?!」と思ってしまう51個目のポン。テクノロジー系の企業は不眠不休という勝手なイメージがつきまとっているかもしれませんが、ブッシュネルによると、睡眠というのは人間にとってもっとも欠かせない、もっとも重要なものとのこと。
しかも、夜にしっかり寝ましょうという話しにとどまらず、昼寝も取り入れることで生産性が上がるという話しが書かれています(その中で「日本企業の中には、仮眠を取るための施設を提供している企業が多い」と書かれているのですが、そうなんでしょうか?)。スティーブ・ジョブズも職場に布団を持ち込んで、好きな時に寝ていたのだとか。
行動しろ!
結論として書かれている52個目のポンは、行動することの大切さで締めくくられています。誰でも良いアイデアを思いつくことはできる。重要なのは、行動すること。本書からひとつだけ学ぶとすれば「行動すること」だと書かれています。ここでも出てくるのがジョブズの例。彼がコンピューターアニメーションの可能性を感じブッシュネルに相談をし、自分の考えに確信を持ったジョブズは、すぐにルーカスフィルム社のコンピューターアニメーション部門を買収し、ピクサーを成功にまで導いた彼の行動力が紹介されています。
これ以外にも情熱の大切さを説いている4個目のポン、採用面接でお気に入りの本を聞くことを薦める13個目のポン、仕事中に社員にWikipediaを読むことを薦める47個目のポンなど、ユニークなアドバイスが詰まっています。
イノベーティブな企業を作りたいと考えている経営者やマネジャーはもちろん、自分の頭を柔らかくしたいと思っている方であればどなたでも面白く読める一冊です。