SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けに、EnterpriseZine Day、Security Online Day、DataTechという、3つのイベントを開催しております。それぞれ編集部独自の切り口で、業界トレンドや最新事例を網羅。最新の動向を知ることができる場として、好評を得ています。

直近開催のイベントはこちら!

Data Tech 2022

2022年12月8日(木)10:00~15:50

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けの講座「EnterpriseZine Academy」や、すべてのITパーソンに向けた「新エバンジェリスト養成講座」などの講座を企画しています。EnterpriseZine編集部ならではの切り口・企画・講師セレクトで、明日を担うIT人材の育成をミッションに展開しております。

お申し込み受付中!

ビッグデータ社会のプライバシー問題

プライバシー影響評価(PIA)は企業のパーソナルデータ活用の道を開く

■第7回

 パーソナルデータの取り扱い開始にあたって、発生する可能性のあるプライバシー侵害リスクを評価し、そのリスクを最小化する取組みである「プライバシーバイデザイン」及びその実践方法である「プライバシー影響評価(PIA)」が近年注目されている。文字どおり、設計段階でプライバシー保護の仕組みを盛り込むことによって、事後的に対処するよりも効率的かつ有効に保護措置を講じることができるという思想に基づいている。今回は、PIAの概要とその可能性について紹介する。

「環境保護」と類似するプライバシーの保護の性質

 プライバシー保護の問題は、環境保護の問題と類似したところがある。環境はひとたび破壊されると原状回復が困難であるという特性があり、環境破壊リスクへの対処が不十分なまま道路建設や都市開発を推し進めると、利便性は向上しても住みづらい社会になり得る。

 このため、1970年以降、大規模開発の前に環境への影響を評価して対処する「環境アセスメント(環境影響評価)」が世界各国で制度化されたという経緯がある。日本においても公共事業と環境保護のバランスを図るための不可欠な社会システムとなって定着している。

 一方、パーソナルデータは、インターネット上に一度記録されると消去することは非常に困難である。デジタルデータは、瞬時に複製され、国境を越えて流通し、サーバや通信機器の中に記録され続ける。つまり、プライバシーは環境と同様に、一度破壊されると修復が難しい性質を持っている。さらに、その影響は、家族や友人等にも及ぶ可能性があり、個人の問題に留まらない広がりを持つ。パーソナルデータ活用は、プライバシー保護とのバランスが必要である。

 このように考えると、環境破壊リスクへの対処のために環境アセスメントが導入されたように、プライバシー保護においても、パーソナルデータの取扱いを開始する前に、プライバシー侵害リスクを評価して対処する仕組み「プライバシー影響評価(PIA:Privacy Impact Assessment)」の必要性が理解できるであろう。

 なお、設計段階からプライバシーの要求仕様を組み込むことは、一般に、プライバシーバイデザイン(PbD:Privacy by Design)*1と呼ばれ、PIAは、そのPbDの具体的な実践方法の一つに位置づけられる(図表1)。

図表1:プライバシーバイデザイン(PbD)の実施プロセス
(PIAは、PbDの具体的な実施方法の一つ)
出所:Ann Cavoukian”Privacy by Design Curriculum”をもとに作成

次のページ
EUの新ルールによって、PIA普及が加速か

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • Twitter
  • Pocket
  • note
ビッグデータ社会のプライバシー問題連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

小林 慎太郎(コバヤシ シンタロウ)

株式会社野村総合研究所 ICT・メディア産業コンサルティング部 兼 未来創発センター 上級コンサルタント専門はICT公共政策・経営。官公庁や情報・通信業界における調査・コンサル ティングに従事。情報流通が活発でありながら、みんなが安心して暮らせる社会にするための仕組みを探求している。著書に『パーソナルデータの教科書~個人情報保護からプライバシー保護へとルールが変わる~』(日経BP)がある。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

EnterpriseZine(エンタープライズジン)
https://enterprisezine.jp/article/detail/5451 2013/12/19 07:00

Job Board

PR

おすすめ

アクセスランキング

アクセスランキング

イベント

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けに、EnterpriseZine Day、Security Online Day、DataTechという、3つのイベントを開催しております。それぞれ編集部独自の切り口で、業界トレンドや最新事例を網羅。最新の動向を知ることができる場として、好評を得ています。

2022年12月8日(木)10:00~15:50

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング