SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けに、EnterpriseZine Day、Security Online Day、DataTechという、3つのイベントを開催しております。それぞれ編集部独自の切り口で、業界トレンドや最新事例を網羅。最新の動向を知ることができる場として、好評を得ています。

最新イベントはこちら!

Data Tech 2024

2024年11月21日(木)オンライン開催

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けの講座「EnterpriseZine Academy」や、すべてのITパーソンに向けた「新エバンジェリスト養成講座」などの講座を企画しています。EnterpriseZine編集部ならではの切り口・企画・講師セレクトで、明日を担うIT人材の育成をミッションに展開しております。

お申し込み受付中!

EnterpriseZine(エンタープライズジン)

EnterpriseZine編集部が最旬ITトピックの深層に迫る。ここでしか読めない、エンタープライズITの最新トピックをお届けします。

『EnterpriseZine Press』

2024年秋号(EnterpriseZine Press 2024 Autumn)特集「生成AI時代に考える“真のDX人材育成”──『スキル策定』『実践』2つの観点で紐解く」

週刊DBオンライン 谷川耕一

2014年はビッグデータが面倒くさい/これからはモバイルファースト、クラウドファーストで考えろ


 2013年はIT投資が持ち直し、業界にも少し明るい兆しが見えてきた。2014年もさらに、その明るさを増していきたいところ。とはいえ、4月に迫った消費税増税などもあり、懸念材料もいくつかあるは事実。そんな中にあっても、競争を勝ち抜いていくには何に着目し、どんなことに注力していけばいいのだろうか。

ビッグデータ面倒くさいを解消できるかが鍵に

 昨年に引き続き、「ビッグデータ」が2014年も注目のキーワードであることは間違いない。IT業界のキーワードだったものが、一般の新聞紙面なども賑わす話題となり、関連市場のさらなる拡大が期待されている。とはいえ、ビッグデータが話題になり始めてから3年ほどが経過し、ガートナーのハイプサイクルでいえば幻滅期。市場的にはちょっと食傷気味で、「ビッグデータ疲れ」も出てきたようにさえ見える。

 昨年くらいから、一見関係なさそうなITソリューションも、なんでもかんでもビッグデータと絡めて考えるようになっている。そのせいもあり、あいまいだったビッグデータの実態がさらに見えにくくなったかもしれない。幻滅期から今後の安定期へ向け、自分たちに必要なビッグデータ活用が何かを見極め、いち早くそれに着手するのが2014年というタイミングだろう。

 そのためにも、ビッグデータは素晴らしい宝の山だという幻想は忘れること。むしろ「ビッグデータは面倒くさい」ものだと捉えるほうがいい。その面倒くさい部分を、いかに簡単にするのか。それができれば、ビッグデータのメリットが享受できる。具体的に、ビッグデータのどのあたりが面倒くさいのか。

 1つは、まさにそのボリュームだろう。ビッグデータをビッグなまま扱おうとすると、巨大なストレージやサーバーが必要になり、処理にはコストも時間もかかる。ビッグデータをいかに小さくするかに、2014年は真剣に取り組むべきだろう。生データがあることが常に重要だとは限らない。データが多ければそれだけノイズも多い。そのノイズを取り除けなければ、欲しい分析結果の精度は上がらない。ビッグデータのクレンジングや抽出、整理といったことが、2014年はさらに注目を集めるだろう。また、ビッグデータをビッグにしないもう1つの方法として、いわゆるストリームデータ処理のように「溜めずに活用する」方策も検討するべき要素だ。

 もう1つビッグデータの面倒くさいところが、「高度な統計処理」というやつだろう。これを行うために,データサイエンティストを自社内に育てるのか、さらには高価な統計処理ツールを導入するのか。なんてことを考えていたのでは、2014年中にビッグデータを活用するところまでには至れない。まずは、とにかくシンプルにビッグデータ活用を捉える必要がある。自分たちとの課題はどこにあって、そのためにどのようデータをどう処理すればいいのか。その課題解決のためには、本当に高度な統計処理が必要なのか。課題をシンプルにし、いかに素早く軽やかに分析できるようにするかが鍵となる。

 また、高度な分析作業にばかり時間を費やしてしまうと「分析疲れ」してしまうかもしれない。そうなれば、いくら良い分析結果が得られても、それを適用しメリットを発揮する行動をとる際には息切れすることに。行動のぶんの体力をいかにして確保するかも、重要な課題となるだろう。これは、現場の業務プロセスの問題だったりもするので、高価なツールを導入しただけでは解決できない。

 そう考えてくると、極めて大規模なビッグデータ活用提案をしてくるベンダーには要注意だ。問題をシンプル化し、ビッグデータをいかに小さくして、素早く活用できるようにするかを提案する。そんなベンダーを選んでいくべきなのだろう。

次のページ
モバイルファースト、クラウドファーストで考える

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
  • Pocket
  • note
週刊DBオンライン 谷川耕一連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

谷川 耕一(タニカワ コウイチ)

EnterpriseZine/DB Online チーフキュレーターかつてAI、エキスパートシステムが流行っていたころに、開発エンジニアとしてIT業界に。その後UNIXの専門雑誌の編集者を経て、外資系ソフトウェアベンダーの製品マーケティング、広告、広報などの業務を経験。現在はフリーランスのITジャーナリスト...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

EnterpriseZine(エンタープライズジン)
https://enterprisezine.jp/article/detail/5502 2014/01/07 13:36

Job Board

AD

おすすめ

アクセスランキング

アクセスランキング

イベント

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けに、EnterpriseZine Day、Security Online Day、DataTechという、3つのイベントを開催しております。それぞれ編集部独自の切り口で、業界トレンドや最新事例を網羅。最新の動向を知ることができる場として、好評を得ています。

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング