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財務指標とビジネスの関係--ビジネスモデルは、ITの活用によって変化する((第4回))


 前回、ご紹介した原価構造は業界ごとに特徴が見られたと思います。それらから考えると、財務指標にも大きな違いがありそうです。代表的な企業の決算書から財務指標をいくつか見てみましょう。そして、それらの財務指標は、その企業のビジネスのどんな所を反映しているのか予想してみましょう。

「財務指標」は、安全性、収益性、効率性などに分けられる

 さて、今回取り上げる「財務指標」を挙げておきましょう。よく財務指標は、安全性、収益性、効率性などに分けられています。

 たとえば、収益性なら、「売上高利益率」があります。安全性なら「流動比率」「自己資本比率」。効率性なら「棚卸資産回転率(回転期間)」といったところでしょうか。

 今回は、上述のような財務指標を取り上げてみましょう。

文房具業界を例に、財務指標を比較

前回に引き続き、文房具業界を取り上げてみましょう。業種を分けたいので、

  • 製造業 : パイロット
  • 卸売業 : シモジマ
  • 小売業 : アスクル

 それぞれを比較しながら、見てみましょう。パイロットはペンメーカーとしてとても代表的な会社で、皆さんもご存じだろうと思います。また、文具業界の卸売業の多くは非公開企業であるため、よい題材がありませんでした。そこで、小売もしていますが、卸売に近い、シモジマを選んでいます。さらに、小売は街の小売店の情報はありませんし、かといってロフトやハンズといったところだと雑貨他も混ざっていますので、アスクルを選択しました。実際にはアスクルもだいぶ雑貨などを扱っていますが、なかなか公開企業がないので、こちらで行きましょう。

各社の「収益性」を見てみよう

 売上高営業利益率を見ていくことにしましょう。 売上高営業利益率は、売上高に対する営業利益の割合ですから、大きければ大きいほど、収益がうまく上げられているということになります。

・パイロット  :  11.7% (平均値 4.0%)
・シモジマ  :  4.0% (平均値 1.1%)
・アスクル  :  1.7% (平均値 2.1%)

※平均値は、経済産業省の商工業実体基本調査による

 こうしてみると、文具業界はこの範囲で言えば、一般平均よりも比較的高く、儲かっている業界と言えるかもしれません。パイロットは爆発的に売れているボールペンを持っていることも影響しているでしょうか。

 なぜ、製造業は収益性が高いのでしょうか。一般論ですが、「付加価値」を付ける面から収益性が上がると考えられます。卸売や小売は仕入れて販売するという「購買代行」的機能が主となりますので、いわゆる物理面での付加価値は付けていないと言えるでしょう。

 ちなみに、サービス業の代表である「飲食業」では、平均8.6%です。飲食業は、その場で作って提供するという意味では付加価値を付けているといえるのでしょうね。

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各社の「安全性」を見てみよう

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この記事の著者

佐川 博樹(サガワ ヒロキ)

 中小企業診断士。大手電機メーカの生産管理システム企画構築、関連会社のシステムコンサルティング、メディア企業向けセールスエンジニアを経て独立。現在は、中小零細企業向けのシステム導入コンサルティング、ネット活用、各種経営支援を行っている。中小企業診断協会 東京支部 城南支会 常任理事、NPO法人東京城南中小企業診断士会 常任理事。
著者のホームページ

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