常備在庫品の分析
さて、今回はビジネス上、常備しておく在庫品について、発注管理面からビジネスとお金、ITの組合せを考えましょう。
まずは、常備在庫品の分析には、「ABC分析」をします。
図でわかるとおり、これはパレート図です。横軸に在庫品の種類、縦軸にその在庫品の金額を取ります。在庫品は金額が大きい順に並べます。また、在庫金額の累積金額を折れ線グラフで表しています。
パレート図(ABC分析)では、大体、上位の10%程度の在庫品で在庫金額の60%から70%を占めたりします。これをA品と呼びます。そして、その次のグループをB品、その他大勢をC品と呼びます。
当然ですが、A品は単価が高いものが並んでいることになりますから、一つ一つ、きちんと在庫をカウントして管理することになります。1つ1万円の在庫品をないがしろにはできないですからね。
一方、B品やC品はA品に比べると単価が安いということになるので、完璧に数えなくてもまあ、そう影響はないという風に考えます。むしろ、一つ一つをカウントしていたら、そのコストの方がもったいないと考えられるということになります。
このように、常備在庫品をまずABC分析で大きなグループに分けます。そして、それぞれに適した発注方式を選択するのが次のステップです。
定期発注と定量発注、そしてダブルビン
ABC分析が終わり、それぞれのグループがわかったら、次のような表にしたがって、それぞれのグループの発注方式を選択します。
A品は、定期発注方式を採用します。単価が高いので、一つ一つしっかりとカウントしていますし、発注して購入するにも単価が高いので、きちんと数を絞って発注した方が良いわけです。結果、A品によく合うということになります。場合によっては、発注のタイミングが来ても「発注数をゼロにする」ということもあり得ます。
一方、B品はA品ほどしっかりカウントしていないとはいえ、大体の量はつかんでいますから、在庫が膨らまない程度に「ロット」で購入します。発注作業自体のコストを削減しながら、カウントの管理コストも上がらないようにするのがB品です。
最後にC品ですが、ねじなど、一つの単価が非常に安いものに適用される「ダブルビン」という発注方式を採ります。場合によってはこれは自動発注です。片方のビンがなくなったら発注ですから。