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企業版マイナンバー「法人番号」がやってくる

edited by DB Online   2014/09/22 15:20

法人番号対策も待ったなし

 この法人番号制度が始まることで、行政に提出する書類などにはこの番号を記載することになる。しばらくは、すでに付与されている13種類ほどある企業番号と並記することになるかもしれない。企業側で発行するような支払い調書のようなものにも、法人番号を記載するようになるだろう。

 このあたりの業務をIT化している場合には、法人番号を印刷するようなシステム改変も必要になるかもしれない。ちなみに2016年から利用を開始するということは、2015年度末には行政機関に提出する書類等に法人番号を付与する必要が出てくるのかもしれない。そうなると、来年中にはシステムの改変やバージョンアップなどをする必要が出てくるかもしれない。このあたりはマイナンバー制度と同様、対応のために残された時間はかなり少ない。

 前述のように、国税庁のシステムではAPI的なものも用意するようなので、タイムリーに新規企業情報を自社の顧客企業データベースのマスターに追加するといった仕組みを作ることもできそうだ。それにより、法人情報を最新に保てるメリットは大きいかもしれない。

 とはいえ、国税庁から提供されるのは法人番号と商号、本店所在地だけだ。その他の情報は自力で集めるしかない。あるいは、法人番号にさまざまな情報を付加した情報提供サービスを利用することになる。現状リサーチ会社などでそういったサービスを提供しているところは、新たに法人番号を付加したものを提供するようになるはずだ。また日本語入力ソフトウェアなどでは、企業番号を入力すると正式な企業名と登記住所を変換候補に出す辞書もすぐに実現できそうだ。

法人番号は積極的な活用が鍵となる

 今後は、企業が発行する見積書や請求書にも法人番号を入れるようになるだろう。これをうまく使えば、多くの企業が苦労している入金の消し込み作業も楽になるかもしれない。さらに、ニュースリリースなどには証券コードを記載する慣例があるが、これに法人番号も加わることになるのでは。

 この法人番号は個人でも検索、参照できる。なので国税庁のシステムで検索すれば、架空の企業かどうかはこれで見分けられる。とはいえ得られるのは登記情報なので、活動しているか休眠しているかまではわからない。国民が参照でき少なくとも正式に登記された住所までがわかるので、実際にその場所を見に行くことはできるわけで、法人を偽るような行為に対してはある程度の抑止効果になりそうだ。

法人番号の公表の仕組み
法人番号の公表の仕組み(出典:経済産業省資料)

 法人番号は行政などが管理するためのものとも捉えられるが、この番号制度をきっかけに積極的に情報公開する企業も増えるかもしれない。「法人番号はできることの幅が広い、可能性はいろいろあります。業界団体などで一斉にこれを活用しようといった動きが起これば、使い勝手は一気に向上するかもしれません」と嶋田氏。個人のマイナンバーは課題も山積みな感じだが、法人番号にはその積極的な活用が新たなビジネスチャンスとなるかもしれない。



著者プロフィール

  • 谷川 耕一(タニカワ コウイチ)

    EnterpriseZine/DB Online チーフキュレーター かつてAI、エキスパートシステムが流行っていたころに、開発エンジニアとしてIT業界に。その後UNIXの専門雑誌の編集者を経て、外資系ソフトウェアベンダーの製品マーケティング、広告、広報などの業務を経験。現在はフリーランスのITジャーナリストとして、クラウド、データベース、ビッグデータ活用などをキーワードに、エンタープライズIT関連の取材、執筆を行っている。

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