SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けに、EnterpriseZine Day、Security Online Day、DataTechという、3つのイベントを開催しております。それぞれ編集部独自の切り口で、業界トレンドや最新事例を網羅。最新の動向を知ることができる場として、好評を得ています。

最新イベントはこちら!

Data Tech 2024

2024年11月21日(木)オンライン開催

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けの講座「EnterpriseZine Academy」や、すべてのITパーソンに向けた「新エバンジェリスト養成講座」などの講座を企画しています。EnterpriseZine編集部ならではの切り口・企画・講師セレクトで、明日を担うIT人材の育成をミッションに展開しております。

お申し込み受付中!

EnterpriseZine(エンタープライズジン)

EnterpriseZine編集部が最旬ITトピックの深層に迫る。ここでしか読めない、エンタープライズITの最新トピックをお届けします。

『EnterpriseZine Press』

2024年秋号(EnterpriseZine Press 2024 Autumn)特集「生成AI時代に考える“真のDX人材育成”──『スキル策定』『実践』2つの観点で紐解く」

既存の概念を覆す!Oracle Database In-Memoryのテクノロジー

Oracle Database In-Memoryは本当に激速なのか(前編)

 前回はOracle Database In-Memoryの仕組みを図解で解説しました。今回は実際にテーブルをインメモリ化して、検索処理の性能を測ってみます。Oracle Databaseにインメモリ+カラム型の技術が加わると、性能はどの程度向上するのでしょうか?

テーブルをポピュレーションする

 前回のおさらいになりますが、Oracle Database In-Memoryには以下の特徴があります。分かりやすく表現すると、「Oracle Databaseにカラム型のメモリ領域(インメモリ・カラムストア)を追加したもの」がOracle Database In-Memoryです。

 Oracle Database In-Memoryの特徴

  •  メモリ上にロー型とカラム型のフォーマットを同時に保持する
  •  OLTPとDWH処理の両方を高速化する
  •  更新処理では従来通りデータベース・バッファ・キャッシュ(ロー型)を使う
  •  検索処理では新しく実装されたインメモリ・カラムストア(カラム型)を使う
  •  両者の使い分けはオプティマイザが自動的に判断してくれるため、SQLの書き換えは不要

 今回は、カラム型が得意とする検索処理を実行した時の性能を測っていきます。使用するハードウェアおよびOracle Databaseのパラメータは以下のとおりです。検証データはStar Schema Benchmark(※)を使って生成しており、テーブルのサイズは約70GB、レコード数は約6億です。

表1:使用するハードウェアと初期化パラメータ
CPU Intel Xeon E5-2640 2CPU16コア
メモリ 128GB
OS Oracle Enterprise Linux 6.4
Oracle Database 12.1.0.2.0 シングル構成
初期化パラメータ sga_target = 110g
inmemory_size= 100g
inmemory_max_populate_servers = 8
図1:Star Schema Benchmarkのテーブル構成 
図1:Star Schema Benchmarkのテーブル構成 (image02.png)

※Star Schema Benchmarkの詳細についてはこちらをご参照ください。

 まずは、各テーブルをインメモリ・カラムストアに読み込みます。この動作は「ポピュレーション」と呼ばれ、メモリに読み込む際にカラム型への変換や圧縮が行われます。ポピュレーションを行うには、テーブルに対してALTER文でINMEMORY属性を指定します。今回は優先度をCRITICAL、圧縮レベルをFOR QUERY LOWとします。

SQL> ALTER TABLE lineorder INMEMORY MEMCOMPRESS FOR QUERY LOW PRIORITY CRITICAL;

 優先度をNONE以外に設定した場合、バックグラウンド・プロセスが2分間隔でポピュレーションのタスクを実行してくれます。OS上からは「ora_wNNN_<SID>」というワーカー・プロセスがポピュレーションを行っている様子が確認できます。

図2:ポピュレーション中のOS稼働状況
図2:ポピュレーション中のOS稼働状況

 ポピュレーションはそれなりに負荷のかかる処理で、ディスクからデータを読み込むためのI/Oはもちろんのこと、圧縮のためにCPUのリソースを多く使用します。高負荷になるのが心配だという場合は、初期化パラメータのinmemory_max_populate_serversでワーカー・プロセスの数を変更することができます。

 OS上からワーカー・プロセスが消えたら、ポピュレーションは完了です。今回は約70GBのテーブルをポピュレーションするのに4分かかりました。ポピュレーションの進捗やステータスは「V$IM」で始まるディクショナリ・ビューから参照できます。

次のページ
インメモリで全件検索した時の性能は?

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
  • Pocket
  • note
既存の概念を覆す!Oracle Database In-Memoryのテクノロジー連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

関 俊洋(セキ トシヒロ)

株式会社アシスト データベース技術本部 データベース・エバンジェリストデータベース・システムの構築や運用トラブルの解決といったフィールド・サポート業務を経験し、その後は新製品の検証やソリューションの立ち上げに従事。現在はデータベースの価値や魅力を伝えるための執筆や講演活動を行っている。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

EnterpriseZine(エンタープライズジン)
https://enterprisezine.jp/article/detail/6203 2014/10/09 13:00

Job Board

AD

おすすめ

アクセスランキング

アクセスランキング

イベント

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けに、EnterpriseZine Day、Security Online Day、DataTechという、3つのイベントを開催しております。それぞれ編集部独自の切り口で、業界トレンドや最新事例を網羅。最新の動向を知ることができる場として、好評を得ています。

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング