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顧客が待ち焦がれた、管理お任せデスクトップ―Amazon WorkSpacesが登場

 「Amazon WorkSpacesは、ユーザー側では管理のいらないデスクトップのクラウドサービスです」と語るのは、Amazon Web Servicesのプロダクトマーケティング担当プリンシパルのPaul Duffy氏。この仮想デスクトップのサービスは、長年顧客からの「待ち焦がれている」という声に応え提供を開始したものだ。

完全マネージド型の仮想化デスクトップサービス

 仮想デスクトップ環境を企業で運用するのには相当な手間がかかる。まずは、社員が出勤して一斉にデスクトップを立ち上げるようなピーク時の負荷にも耐えられるような十分な性能を持ったハードウェアも必要だ。また、ネットワークなども含め安定した環境を提供するのはなかなか難しいものがある。

Duffy氏
Duffy氏

 「最近ではPCだけでなく、iPadやAndroidのタブレット、Kindle Fireなどもあります。それらが企業ではBYODの形で利用されており、顧客の環境はかなり多様化しています」(Duffy氏)

 社内だけではなく、自宅で作業したいという要望もある。あるいは、派遣労働など一時的に仕事をする人もいる。それら多様な要望を取り入れ、なおかつ企業のセキュリティポリシーを満たす形で仮想デスクトップの環境を自社構築、管理運用する。これにはかなりの手間とコストがかかることは、容易に想像できる。

 「Amazon WorkSpacesは完全マネージド型のサービスで、顧客の要望に合わせいつでもすぐにデスクトップ環境のプロビジョニングが行えます」(Duffy氏)

 どのようなソフトウェアでどのようなハードウェアを用意するかも簡単に選択できる。ハードウェアはスタンダードとパフォーマンスの2つのタイプが用意されている。ソフトウェアはMicrosoft Officeをプリインストールした環境の選択も可能だ。Adobe Readerやブラウザなどビジネスで利用するソフトウェアは一通り揃っているが、その他のものについては顧客の要望を聞きながら今後さらに充実させていくことになる。

 WorkSpacesの利用には、最小利用数制限もないので少ないユーザー数からでも無駄なコストを発生させずに利用できる。つまりは自社で構築する際のように、今後の利用拡大を見込んであらかじめ強力なサーバーを用意する、多くのソフトウェアライセンスを購入しておくといった無駄は発生しないのだ。

 また、WorkSpacesを導入するにあたり、何ら特別な管理ツールなどを導入する必要もない。

 「既存のActive Directoryとも統合できるので、通常のデスクトップ端末とWorkSpacesのデスクトップを一元的に管理できます。ユーザーIDやパスワードも、既存ものをそのまま利用できます。なので、Microsoft SharePointやExchangeなどもWorkSpacesのデスクトップからシームレスに利用できます」(Duffy氏)

 すでに500台のオンプレミスのデスクトップがあり、それに500台のAmazon WorkSpacesを追加するといった場合にも、何ら管理の仕方を変える必要はない。

自社データセンターでの運用が難しいものをAmazonが代わりに

 ところで、仮想デスクトップのサービスをクラウドで提供することにチャレンジはなかったのだろうか。

 「Amazonでは、さまざまなサービスを顧客の要望に基づいて提供しています。このWorkSpacesは、既存のデスクトップ環境で得られる顧客体験の良いところをそのまま提供することにしました。その上で、クラウドの良さも提供する。その部分はチャレンジでした」(Duffy氏)

 とはいえ、クラウドからさまざまなサービスを提供するのは、Amazon Web Servicesにとって創業以来のことでありもはや「慣れたもの」とDuffy氏。スケールを持った形でサービスを提供する。そうすることでさまざまなメリットが顧客に提供できることは、同社がこれまでのビジネスの中で学んできたことだ。なのでWorkSpacesも最初からスケールメリットを十分に発揮したサービスとなっており、その上でこれまで提供してきたさまざまなサービスと同様、クラウド上で容易に管理できるものになっている。

 「顧客にとって自社のデータセンターで運用するのが難しいものを、Amazonが代わってやります」(Duffy氏)

 サービスの提供を開始し、利用者からもっとも評価されているのは既存のActive Directoryと統合できるところだ。さらにより高いレベルでのシステム管理をしたければ、それは顧客に委ねられているとのこと。たとえば、System Centerを使って管理するのであれば、オンプレミスでできることはそのままできるようになっている。

 ところで、クラウド越しのサービスとなることでレスポンスに対するチャレンジはなかったのだろうか。

 「プロトコルとしては、TeradiciのPC-over-IPを利用しています。ネットワークにはさまざまなコンディションがありますが、それを効率よく対処でき耐障害性もあるように最適化するのがこのプロトコルの特長です。もちろん、必要なネットワーク帯域に関するガイドラインは出しています。東京リージョンでもすでにWorkSpacesは利用できるので、レスポンスについては心配はいらないでしょう」(Duffy氏)

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他社との競争ではなく顧客が望むものを提供する

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この記事の著者

谷川 耕一(タニカワ コウイチ)

EnterpriseZine/DB Online チーフキュレーターかつてAI、エキスパートシステムが流行っていたころに、開発エンジニアとしてIT業界に。その後UNIXの専門雑誌の編集者を経て、外資系ソフトウェアベンダーの製品マーケティング、広告、広報などの業務を経験。現在はフリーランスのITジャーナリスト...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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